瀬々敬久監督、鬼才・足立正生の演技に「新人俳優賞をとらせたい」
2016年11月17日 22:15

[映画.com ニュース]瀬々敬久監督が漫画家・つげ忠男氏の作品を実写映画化した「なりゆきな魂、」の完成披露舞台挨拶が11月17日、東京・渋谷ユーロスペースで行われ、瀬々監督、忠男氏のほか、出演者として名を連ねる足立正生監督、山田真歩、町田マリー、柳俊太郎、中田絢千、國元なつき、葵來沙が出席した。
映画は、兄・つげ義春氏の影響で漫画の執筆を始めた忠男氏による「成り行き」「つげ忠男のシュールレアリズム」(ともにワイズ出版刊)に収録された4編に、瀬々監督が紡いだオリジナルストーリーを加えて構成された意欲作。瀬々監督は「20歳の頃からつげ忠男さんの大ファン。そして足立監督のファンでもあります。それが映画で“合体”する。至上の喜びを感じて作品をつくりました」と念願の企画だったことを告白。撮影現場を訪れたという忠男氏は「参加されている皆さんのタフぶりに驚いた。映画づくりの大変さに気づきました」としつつ、「必ず楽しめる映画になっています」と作品の出来に太鼓判を押した。
「断食芸人」のメガホンをとり、“アングラの旗手”としても知られる足立は「どうしても出ろって言われまして」と瀬々監督から熱烈なオファーがあったことを告白。「瀬々監督の現場は初めてだったんですけど、楽しかったですよ。僕も今日初めて全編見るので、“瀬々イズム”の溢れ返っている作品になっているのだろうと期待しています」と明かすと、瀬々監督が「この映画で足立正生に新人俳優賞をとらせたいと思っていますので」と冗談交じりに宣言。すると足立が「新人じゃないよ」とぼやき、場内の笑いを誘っていた。
また、中田が柳との共演シーンの裏話を披露する一幕も。「プロレスの技をかけるシーンがあって、瀬々監督が原作漫画を片手にお手本を見せてくれたことがあったんです」と話し、瀬々監督が技をかけた相手が、本作に監督補として参加していた「ディアーディアー」の菊地健雄監督だったことを暴露。「でも、本気で技がかかりすぎていて、菊地さんが『痛い!痛い!』って苦しんでいたこともありましたね。その光景がかなりシュールで……」と明かしていた。
「なりゆきな魂、」は、17年1月28日から東京・渋谷ユーロスペースほかで全国順次公開。
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