スカヨハ&ビートたけし、実写「攻殻機動隊」物語の断片を語る
2016年11月13日 22:05

[映画.com ニュース] 士郎正宗氏によるSF漫画「攻殻機動隊」を米ハリウッドで実写映画化した「GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル」の“エクスクルーシブ・イベント”が11月13日、東京・日の出の複合型イベントスペース「TABLOID」で行われ、主演のスカーレット・ヨハンソン、共演のビートたけし、メガホンをとったルパート・サンダース監督らが出席した。
日本発の世界的人気作品のハリウッド実写版が、東京でキックオフ。物語や設定などの多くがベールに包まれていたが、3人の言葉からその一端が垣間見えてきた。サンダース監督は「リメイクではなくリイマジニング」と強調し、「漫画でもアニメでも『テクノロジーを信じる』ことがテーマ。私はそこに希望があり邪悪なものではない、と言いたかった」と語る。
続けて、「極端な近未来を描いていますが、登場人物の“発見の旅”でもあります」と言葉に力を込める。ヨハンソン演じる草薙素子が葛藤し成長する過程が軸だが「根底に流れるテーマを映画的な形で、つまりセリフではなく、感覚的に伝わるものにしたかった。観客がフロイトだ、デカルトだと説教されていると感じず、テクノロジーや人間性(の物語)が響くようにしたかった」と思いを明かし、「もともとのサイバーパンクな設定は、できるだけキープしています」と説明した。
たけしは、「あの時代(90年代)のSF的なアニメが、違和感なく実写でつくれる時期にちょうど当たった。自分が荒巻役というのは非常に嬉しい」とニッコリ。一方で「アニメにおける荒巻は左卜全みたいでしたが(笑)、メイクやコーディネーターと相談して、納得できるものになりましたよ」と述べた。
セリフは日本語だったそうで、「セリフ覚えが悪いと言ったら(文字を表示する)プロンプターがあった。そこで字がよく読めないとか、いろんなことに難癖つけました(笑)。ヨハンソンさんが俺のカンペを持っていたのが、記念写真を撮りたいくらい感動しました」と目を細める。素子と荒巻については「ある意味、父娘の関係」と語り、「一方で荒巻を冷徹な心も持っている男にしたかった。躊躇なく人を撃つし、かと思えば身内には親族のような関わりを持つ、という風に解釈しています」と話した。
そして、出演映画関連では約14年ぶりの来日となったヨハンソンは、素子役のプレッシャーを吐露しながらも「私が少佐(素子)につながりを感じたように、観客も共感してほしい」とほほ笑む。アクションも多数盛り込まれただけに、「マーベル作品もやっていますので、肉体的な動きに関しては準備できていましたが、役どころは非常に動ける人物だったのでトレーニングを積みました。特に武器の使い方を覚えましたね」といい、「役どころは今まで体験したことのないもので、このジャンルをさらに突き詰めていけたでしょう」と自信をみなぎらせた。
さらにこの日は、サンダース監督から桃井かおりと福島リラの出演も発表されほか、世界初公開となる予告編もお披露目。同監督は「私たちがこの作品の伝統を大事にしていることを、日本の皆さんには見ていただきたい」と呼びかけ、たけしも「映像はかなりすごい。悔しいくらいお金かかっていて、私の映画が100本できるくらい。それがハリウッド」と脱帽の様子だった。
「GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル」は、アメリカでは2017年3月31日、日本では17年4月に公開予定。
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