移転問題に直面する築地 仲卸業者が抱える不安とプロフェッショナルとしての矜持
2016年9月29日 20:23

[映画.com ニュース]東京・築地市場を描く初のドキュメンタリー映画「TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)」の完成披露試写会が9月29日、東劇で行われ、遠藤尚太郎監督、料理評論家の服部幸應氏、築地で仲卸業を営む島津修氏が出席した。
本作は、豊洲への移転が予定されている東京都中央卸売市場築地市場に1年4カ月にわたり密着したドキュメンタリー。報道規制の厳しい同所に対して初めて長期取材が許された映像作品であり、東京魚市場卸協同組合の全面協力のもと、そこで働く人々や訪れる職人たちの伝統、技術、情熱が息づく“世界一のフィッシュマーケット”の舞台裏に迫る。
現在、豊洲への移転に関しては、移転時期、費用増額の可能性、土壌汚染対策のための盛り土が行われていなかった点など問題が山積している。服部氏に「豊洲が使えないって外しちゃったら、他に持っていく場所があるんですかね? (移転時期は)延長なんですかね?」と直球の質問を投げかけられた島津氏は「僕が聞きたい」と苦笑い。だが、「ひとつだけ言えるのは、僕らは誇りを持って仕事をしているプロフェッショナルの集団。僕らの代わりってこの世の中に存在しない。僕の代わりはいっぱいいるけれど、束になった時、築地の仲卸の代わりはどこにもいないんで、僕らがいるところが市場になる」と真っすぐな眼差(まなざ)しで語り、「そう信じて『さあ、どうなるんだろう』と首をひねっている段階」と胸中を明かした。
さらに「映画化の提案を受けた時の心境」を問われた島津氏は、「何をもの好きな。僕らからしたら毎日毎日繰り返している普通のことなので、果たしてできるんだろうかというのが最初」と当初は不安を抱えていたことを告白。だが実際に撮影が始まると、遠藤監督をはじめとする製作スタッフと築地サイドの距離感が変化していったという。「僕らはシャイなんです。絶対表に出したくないこともある。だから全部は見せないし。でも今回映画を撮った監督、プロデューサーの熱意が伝わった。段々認知が高くなって協力してあげようっていう空気が高まった。もうこれ以上のものってできないんじゃないかな」。
島津氏の言葉を受け、遠藤監督は「当たり前のように築地市場の映像が出てきますが、簡単に撮れた映像はひとつもない。そこに留まっているだけでも難しいような場所なので。いろんな苦労がありました」と振り返る。そのうえで、「今回クラウドファンディングの方が多く参加してくださっている。僕らの努力だけではどうにもならないコスト面では、クラウドファンディングで空撮が可能になったり、ちょっと良い機材を一部で使えていたり。何よりも3、40キロ歩いて撮影していると、肉体的に限界がくる瞬間が多々ある。その時に買い出しに訪れた方が『クラウドファンディング応援したよ』って声をかけてくださり、こちらも襟を正す思いだった。いろんな人に支えられてできている映画だと実感している」と本作に関わった人々への感謝を述べた。
「TSUKIJI WONDERLAND(築地ワンダーランド)」は、10月1日に東京・築地の東京劇場で先行公開され、10月15日から全国公開。
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