宮崎あおい「怒り」初日で声詰まらせる「謙さんの娘で幸せ」
2016年9月17日 14:00

[映画.com ニュース] 李相日監督の最新作「怒り」が9月17日、全国324スクリーンで公開された。主演の渡辺謙をはじめ森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡という日本映画界を代表する豪華キャストと李監督は、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇2での舞台挨拶に臨んだ。
吉田修一氏の同名小説が原作の映画は、「怒り」という血文字を現場に残したまま未解決になった殺人事件から1年後が舞台。整形手術をして逃亡を続ける犯人の行方が不明のまま、東京、千葉、沖縄に身元のはっきりしない男が現れる。今作では「信じること、信頼のあり方」を問いかけるとともに、タイトルの「怒り」が誰の、何に対してのものなのかにも迫る。
この日は、初日挨拶としては異例といえる観客とのティーチインが行われた。ハリウッドでの経験豊富な渡辺に対し「李相日監督の魅力とは?」と聞いたのは女性ファン。「映画評論家の方ですか?」と語りかけ、場内の笑いを誘った渡辺は「監督それぞれ手法は違う。李監督の場合は、表現する先に何があるのかを待たれる。表現するのではなくて、生きてほしいと。そういったものを丁寧に切り取ってくれるので、その全てが空気の中に醸し出される。そんな監督なんだと思います」と真摯な面持ちで明かした。
これを受けて、李監督は「確かに『こうしてほしい』ではなくて、『どう思っている?』と質問していますね」と同調する。そして「僕のことを面白がってくれているのか、苦しみながらも有りだと思ってくれているのか……。そういう俳優じゃないと付き合い切れないかもしれませんね」と他人事のように話すと、3度目のタッグとなった妻夫木や渡辺は苦笑いを浮かべていた。
千葉パートに出演した宮崎は、父親役を演じた渡辺との共演を聞かれると「お父ちゃんは……、私、いまとても寂しいんです。明日からお父ちゃんに会えないと思うと……」と声を詰まらせた。それでも、「現場では居場所を作ってくれました。『お父ちゃんに付いていけば大丈夫!』という安心感がある。謙さんの娘を1日でも演じられて本当に幸せでした」と感謝の言葉を口にした。一方の渡辺は、「彼女の思いや覚悟は言わずとも感じていた。俳優として見届けたいと思ったし、サポートしたいと思った。とても濃密な親子だったから、僕もあおいちゃんと同じ気持ち。でも、また連絡してきてね」と、ほほ笑み合っていた。
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