渡辺謙ら「怒り」豪華出演陣がゆるゆるトーク 李相日監督は怖かった?
2016年9月15日 05:00
[映画.com ニュース] 吉田修一氏の小説を李相日監督のメガホンで映画化した「怒り」のLINE LIVEプレミア上映会が9月14日、都内で行われ、李監督と出演の渡辺謙、森山未來、松山ケンイチ、綾野剛、広瀬すず、宮崎あおい、妻夫木聡が舞台挨拶に出席した。
直前に東京国際フォーラムで行われたジャパンプレミアでは、登壇陣はフォーマルな衣装に身を包んでいたが、ここではカジュアルな装いで登場。渡辺が「おじさんなので、ジャケットは着てきました」と語ると、妻夫木は「ラフと言われたのに謙さんがジャケット着ている。話が違う!」と冗談めかしてクレームをつけ、宮崎と広瀬は「2人ともコンセプトがお花になったね」とほほ笑み合っていた。
鑑賞直後で興奮冷めやらぬ観客は、感想を書いたボードを手にしており、「演技力」という評に食いついた松山は「全員が今までのイメージを崩す演技をしている。謙さんが漁協の職員とは、まず結びつかない」とキッパリ。「フォークリフトを運転している謙さんに、買い付けに来た人が『今日何時から開くの?』と聞いていましたからね。謙さんの存在感でも、フォークリフトに全部吸収されるんだなと思った」と振り返り、渡辺は「衣装着てフラフラしていたら、本当に誰にも気づかれなかった」と笑っていた。
さらに、観客から「李監督は怖かった?」と率直な質問が寄せられた。3度目の李組参加となった妻夫木は「『よーい、スタート』の前から人物になりきること、その準備を望んでいるんです。怖いわけではないです。たまーに怖くなる瞬間がありますけどね」と明かす。そして「最後、僕が泣きながら歩くシーンがありますが、監督はバックショットで撮りたいと。50メートルくらい歩き、スタッフは僕のアテンド出来ないから、対面から歩いてくる人が『わっ、妻夫木だ。あ、泣いている……』となっていた」と告白した。
キャスト陣はひとりずつ答えていき、広瀬に順番がめぐると「なんでも言っていいよ」(渡辺)、「本心で言って」(李監督)とのささやきが。背中を押された広瀬は、「舟を運転するシーンが多かったので『今なら逃げられる』と常に思っていました(笑)。『私が舟で逃げたら監督、どうするんだろう』と思った」と話す。これを受けた李監督は「でもこっち(撮影クルー)の船のほうが速いから」と切り返し、森山はじめ一同から「そういう問題!?」「こっわ」「やっぱり怖いわ!」「そういう映画撮ればいいじゃん」と総ツッコミを食らっていた。
また、「自分以外の役では誰を演じたい?」と問われ、渡辺は綾野を指差す。そんな姿に、綾野の相手役を務めた妻夫木は「僕が謙さんと……。大変ですね」と苦笑い。渡辺は「違うよ、俺がやるんじゃないの! 単純にここの精神世界は素敵ってことだよ、そんな拒絶はないだろう!」と絶叫し、当の綾野は「この世界は年齢とか関係ないですからね」とどこ吹く風だった。
イベント終盤には、自撮り棒付き携帯電話を持った渡辺が、客席をバックに記念撮影。「おりゃ! ほっ!」など軽快な掛け声を上げながらシャッターを押していた。「怒り」は9月17日から全国で公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。