パオロ・ソレンティーノ監督、次回作の題材はシルビオ・ベルルスコーニ元首相
2016年9月12日 12:00
[映画.com ニュース] アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「グレート・ビューティー 追憶のローマ」(2013)のイタリア人監督パオロ・ソレンティーノが、イタリア元首相シルビオ・ベルルスコーニとその側近を描く新作映画を準備していることがわかった。
米バラエティによれば、仮タイトルは「Loro(原題)」で、ソレンティーノが脚本を執筆するイタリア語作品。2017年夏にもクランクインする予定だという。
今月末で80歳になるベルルスコーニ元首相は、もともとは建築会社を成功させてメディア王に成り上がった実業家。イタリア史上最長の9年間首相を務めながらも、数々のセックススキャンダルや差別的ジョークで騒動を巻き起こしてきた。
「Loro」はベルルスコーニとその周辺を捉えるもので、人物批判的な作品にはならないようだ。これまでソレンティーノ全作品を手がけてインディゴ・フィルムズがプロデュースすると見られているが、最近の作品(「グレート・ビューティー」「グランドフィナーレ」)を共同製作しているメドゥーサ・フィルムは、ベルルスコーニが実権を握っているため今回は関与しない可能性が高い。
なお、ベルルスコーニを題材にした映画は過去にも、ナンニ・モレッティ監督「夫婦の危機」など幾つかイタリアで製作されている。
ソレンティーノは、ジュード・ロウを主演に迎えた米HBOのテレビシリーズ「The Young Pope(原題)」が先ごろ、ベネチア国際映画祭でお披露目された。同作は史上初のアメリカ人ローマ教皇を描く英語作品で、全10話の演出をソレンティーノが手がけている。