“ヒトラーのオリンピック”に参加すべきか?裏では舌戦展開「栄光のランナー」本編映像公開
2016年7月28日 14:00

[映画.com ニュース] 1936年のベルリンオリンピックで4つの金メダルを獲得した、アメリカ人陸上選手ジェシー・オーエンスの半生を描く「栄光のランナー 1936ベルリン」の新たな本編映像が、公開された。アメリカオリンピック委員会のメンバーが、ベルリンオリンピックに参加するか否かの投票を行うシーンを切り取っている。
映画は、オーエンス(ステファン・ジェームス)が偉業を成し遂げるまでの2年間にスポットを当てる。中学時代から陸上選手として活躍してきたオーエンスはオハイオ州立大学に進学し、コーチのラリー(ジェイソン・サダイキス)の元で練習に励むが、当時のアメリカでは人種主義を打ち出すドイツのナチス政権に反対し、オリンピックのボイコットを訴える世論が強まっていた。
映像では、アメリカオリンピック委員長のエレミア・マホニー(ウィリアム・ハート)と、委員会の陰の実力者で、のちにIOC(国際オリンピック委員会)の会長となるアベリー・ブランデージ(ジェレミー・アイアンズ)が意見を戦わせる。ナチスドイツのユダヤ人迫害に反対するマホニーは「今日の投票でアメリカ人選手の五輪参加に反対票を投じることは、独裁国家への反対になる。誰が見ても、オリンピック憲章はナチズムに対する完全なアンチテーゼだ」と訴える。
一方、スポーツと政治は切り離して考えるべきとの立場に立つブランデージは「何よりも大事なのは参加することだ。歴史に名を残すのは勝者だけかもしれない。だが、参加した男女全員が与えられたチャンスに感謝する。スポーツマン精神のもとにつどい、人間同士、国家同士が切磋琢磨(せっさたくま)しあう。互いに恐れや憎しみを忘れ、ベストの力をぶつけ合う。我々が重視すべきは選手だ」と力説。共にオスカーに輝き、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」や「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」といったアメコミ映画でも存在感を発揮する両者が、熱い演技バトルを繰り広げている。
アイアンズは「オリンピックが開催される国の政治状況を理由に、参加を辞めるべきかという問題は今日でも続く論争だ。ブランデージの主張がなかったら、ジェシー・オーエンスはヒトラーの鼻を明かすことはできなかった」とブランデージの行動を支持する。対するハートは「アメリカがオリンピックに参加することで、オリンピック規約の不正利用を承認することになるというのが、マホニーの意見だった。オリンピックやアマチュアスポーツの主旨は、市民の名誉をたたえることにある。そういった名誉が買収されてはならないと示すことが、彼にとって重要だったんだ」と理解を示している。
「栄光のランナー 1936ベルリン」は、「リーピング」、「24 TWENTY FOUR(シーズン 1)」の製作総指揮兼監督として知られるスティーブン・ホプキンス監督がメガホン。8月11日から全国公開。
(C)2016 Trinity Race GmbH / Jesse Race Productions Quebec Inc. All Rights Reserved.
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