「テルマエ・ロマエ」ヤマザキマリ氏、ダヴィデ像の“モザイク処理”に苦言
2016年7月5日 13:00

[映画.com ニュース]“イタリア・ルネサンス絵画の宝庫”と呼ばれるウフィツィ美術館と、世界遺産の街フィレンツェを最高水準の技術で活写した映画「フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館3D・4K」の公開記念トークイベントが7月4日、東京・シネスイッチ銀座で行われ、漫画「テルマエ・ロマエ」で知られるヤマザキマリ氏、編集者の玉置泰紀氏が出席した。
体験型美術館ドキュメンタリー「ヴァチカン美術館4K3D 天国への入口」の製作陣が、ウフィツィ美術館が収蔵する傑作の数々や美しい街並みを、高精細3Dで映し出す。フィレンツェを拠点とし、ルネサンス期の美術に造詣が深いヤマザキ氏は、ドローンやクレーンを駆使した3D映像に「人間目線で見られているフィレンツェや美術品は、ほとんど出てこないんです。幽体離脱して、別の空間から見ている感覚になる」と感服しきり。フィレンツェに慣れ親しんだ観客でも新鮮な驚きを得られると述べ、「大聖堂を真上から見ることなんて、生きているうちにない」と太鼓判を押していた。
さらにヤマザキ氏は、ミケランジェロ作の「ダヴィデ像」に言及し、「足元からから舐めるように裸の像を映しています。セクシーというか官能的というか」とうっとり。一方で、今作の日本版予告動画をFacebookにアップしようとしたところ、AIの判断でブロックされてしまったという。ダヴィデ像など、一部の作品にモザイク処理することで問題をクリアしたそうだが、「ギリシャ、ローマでは、聖人化する人間が裸になり、裸こそが至高のものとされていたんです。ルネサンスはそれを復興したのに、何でモザイクをかけなければいけないのか」と苦言。「古代ローマの精神性を汲みとったダヴィデ像は、当時のスピリットがいかにエネルギッシュだったかを伝える像なのに!」と苦笑いを浮かべた。
また、「テルマエ・ロマエ」でも同様の問題に直面したといい、「表紙では彫刻のすっぽんぽん男子が桶を持っているんですが、出版された時に大問題になった」と告白する。「あれは彫刻なんですから、美術館に行ったら普通に見ているのに! なんで絵に描いたら急にそういう扱いになるのか(笑)」とヒートアップし、「北米版を出すときにもすごい問題になっちゃって。表紙にプラスチックカバーがかかっていて、購入者だけめくれる“中とじ”みたいになっていた。余計エッチな感じになって、買った人は内容に『なんじゃこりゃ』となるはず。(潔癖な)ピューリタン的な解釈があるんでしょう」と語っていた。
「フィレンツェ、メディチ家の至宝 ウフィツィ美術館3D・4K」は、7月9日からシネスイッチ銀座ほか全国で公開。
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