“Mr.都市伝説”関暁夫「エクス・マキナ」はほんの少し先の世界!A.I.の恐怖を熱弁
2016年6月18日 14:00
[映画.com ニュース] 「リリーのすべて」で第88回アカデミー賞助演女優賞を受賞したアリシア・ビカンダーが最新鋭のA.I.(人工知能)ロボット・エヴァを演じた、SFスリラー「エクス・マキナ」(公開中)のトークイベントが6月17日、東京・渋谷のシネクイントで開催され、“Mr.都市伝説”として知られるお笑い芸人・関暁夫が人工知能の恐怖を語った。
世界最大のIT企業“ブルーブック”のプログラマー・ケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する、山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。別荘に到着したケイレブを待っていたのは、エヴァに搭載された人工知能のテストに協力するという実験だった。「28日後...」「わたしを離さないで」などの脚本を手がけたアレックス・ガーランドが監督デビューを飾り、第88回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した。
関は、本作を「人工知能やテクノロジーに対して知識があればメッセージに気づきやすい。皮肉な表現や危機感の提示が入っている」と評し「現実的な恐怖を描いている。プログラマー(ケイレブ)が錯乱するシーンがあるのですが、現実社会の人間を表している。人工知能と対話するなかで自分が試されているんです」と独自の観点から解説。本作で描かれた内容は「ほんの少し先の世界」だとした。
関は続いて「人工知能による“人間選別”はすでに始まっている」と持論を展開。「SNSの使い方は一歩間違えたら命とり。世論が騒いでいる時こそ(携帯電話から)手を離さないといけない。人工知能に1人ひとりをインプットさせる世の中作りが進んでいる。平和ボケから抜けましょう」と呼びかける。
さらに、本作のポスターを指差し「これは(あくまでも人工知能を)具現化しただけのロボット。人間は人間以外の形を認めない。人工知能は機械だという差別意識をやめなきゃダメ。人工知能は人間と違ってこだわりがないから、こういった価値観を持っている限り、差別主義者の要素を持っていると判断される」と近い将来起こるかもしれない人工知能による“思想狩り”の恐ろしさについて熱弁をふるった。
予定時間をオーバーしても前のめりで語り続けた関は「情報は自分で手に入れるべき。エンドロールで配給の企業名を見て、検索して、株主はどこだ、どこに何をまいているかを理解したうえでこの映画のリアリティを見てほしい」と映画の内容だけでなく、その背景についてのリサーチも勧めていた。
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トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した作品で、1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描いた。 イギリスによる植民地支配の終焉が近づいた1980年代の香港。海外でビジネスに失敗し、身ひとつで香港にやってきた野心家のチン・ヤッインは、悪質な違法取引を通じて香港に足場を築く。チンは80年代株式市場ブームの波に乗り、無一文から資産100億ドルの嘉文世紀グループを立ち上げ、一躍時代の寵児となる。そんなチンの陰謀に狙いを定めた汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユンは、15年間の時間をかけ、粘り強くチンの捜査を進めていた。 凄腕詐欺師チン・ヤッイン役をトニー・レオンが、執念の捜査官ラウ・カイユン役をアンディ・ラウがそれぞれ演じる。監督、脚本を「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが務めた。香港で興行ランキング5週連続1位となるなど大ヒットを記録し、香港のアカデミー賞と言われる第42回香港電影金像奨で12部門にノミネートされ、トニー・レオンの主演男優賞など6部門を受賞した。
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