日本初の長編アニメ「桃太郎 海の神兵」が北米配給 日本では8月にDVD&ブルーレイ
2016年6月5日 15:00

[映画.com ニュース] 1945年に公開された日本初の長編アニメーション「桃太郎 海の神兵」のデジタル修復版が、北米で配給されることが決定した。英題は「Momotaro, Sacred Sailors」だ。
瀬尾光世の脚本・監督による74分のモノクロ作品は、海軍省の後援で松竹が製作した国策映画。桃太郎を筆頭にサル、イヌ、キジ、クマらで構成された落下傘部隊が、南方の鬼ヶ島へ向かうという内容で、手塚治虫作品をはじめ後世の日本のアニメーションに大きな影響を与えたといわれている。瀬尾の師であり、「日本のアニメーションの父」と呼ばれる政岡憲三が影絵のパートを監督した。
イマジカが技術協力したデジタル修復版は、マスターポジを4Kスキャンし、2Kで修復。5月の第69回カンヌ国際映画祭クラシック部門でワールドプレミアが実施され、会場にはほぼ満席に近い200人以上の観客が集まったという。舞台挨拶に登壇した同社の中村謙介氏は、「現代の日本アニメで主流の画の一部のみを動かす手法ではなく、それぞれ独立してキャラクターを描く手法が用いられていました。その点で、実写のような動きの難しさと、アニメーション特有のセルに付着したゴミやゆがみといった症状が混在し、修復をより困難なものにしていました」と手作業による修復作業の苦労を述懐した。

このほど米ファニメーション・エンタテインメントが、アメリカとカナダにおける劇場配給権、デジタル配信権、家庭向けソフトの権利を独占で獲得し、ゲン・フクナガCEOは「約5万コマを使ってつくり上げられたモノクロの素晴らしい映画であり、同時代のディズニー映画に比肩する優れたアニメーションと音楽と娯楽性で表現されています」とコメントを発表している。
「桃太郎 海の神兵」デジタル修復版は、日本でも8月3日にDVD/Blu-Rayが発売。43年に公開された政岡監督の短編アニメの名作「くもとちゅうりっぷ」も収録される。
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