加瀬亮&戸田恵梨香「SPEC」以来の再共演 動物の殺処分がテーマのWOWOWドラマ
2016年2月19日 08:00
[映画.com ニュース] 加瀬亮と戸田恵梨香の「SPEC」コンビが、動物の殺処分をテーマに描くWOWOWのドラマ「この街の命に」で再共演を果たしていることが分かった。「独立少年合唱団」で第50回ベルリン国際映画祭アルフレード・バウアー賞、「いつか読書する日」で第29回モントリオール世界映画祭審査員特別賞を受賞した脚本・青木研次×監督・緒方明の名コンビによるオリジナル作品で、加瀬と戸田の共演は「SPEC」シリーズ完結以来初となる。
1年間に10万頭を超える犬や猫が殺処分されている日本(環境省平成26年度発表)。今作は、ある街の行政組織「動物愛護センター」を舞台に、罪のない動物たちの命を救おうと踏み出した獣医たち職員の葛藤と再生を描いた物語で、多くの犬や猫がなぜ殺処分されるのか、また、その現場に直面する人間は何を思うのかを描き出していく。
動物愛護センターに配属され殺処分の現実に困惑する行政獣医・牧田洋を加瀬が演じ、戸田は牧田の同僚で、ともに苦悩する行政獣医・幡枝亜紀役で出演。加瀬は、戸田との再共演を「『SPEC』のときとは全く違う関係の役でしたが、戸惑いは全くありませんでした。戸田さんは、とても信頼している役者さんで、いつでも刺激と安心を撮影に与えてくれる人だと思います」と語り、全幅の信頼を寄せる。一方の戸田は「殴り合いがないのがさびしかったです」と笑い、「髪の毛も伸びていますし、スーツじゃないし、表情も柔らかですし、なんだか妙に恥ずかしかったのを覚えています」と話している。
動物の殺処分という社会問題に切り込むテーマでドラマを手がけるにあたり、取材や調査を重ねた緒方監督は、「調べていくうちに『人間とペットとの関係』を飛び越えて『人と動物の命とは』という、もはや解答を出すことの難しい命題にまでたどりつきました」と述懐。悩み、苦しみながら処分を続けている愛護センターの人々がいる現実を踏まえ、「青木研次さんの脚本は心に矛盾を抱えた人間たちがウロウロ、オロオロする群像劇でした。そこにはヒーローもヒロインもいません。安易なヒューマニズムもカタルシスもありません。教条的になることなく『犬と人間の関係』を探っていくちょっと不思議なドラマが作れたと思っています」と話している。
緒方監督の「いつか読書する日」に主演した田中裕子が、今作ではセンターの改善に向けて先頭に立つ新任所長を演じる。その他の出演は、渋川清彦、黒田大輔、岡山天音、諏訪太朗、篠原篤、柳英里紗ら。4月2日午後9時から放送。