ビートたけし、主演作「女が眠る時」ベルリン出品に喜び「自分の理想とする映画」
2016年1月16日 21:15

[映画.com ニュース]ビートたけし主演のウェイン・ワン監督最新作「女が眠る時」が完成し1月16日、たけしをはじめ共演の西島秀俊、忽那汐里、新井浩文が、東京・丸の内TOEI1で会見した。またこの日、今作の第66回ベルリン国際映画祭(2月11~21日開催)パノラマ部門への出品が発表になり、登壇陣が思いを語った。
たけしは、自作以外では「血と骨」(2004)以来12年ぶりの主演作となる今作を「自分の理想とする、ちょっと難解だけれども知的ゲームがある映画」と話す。「(自らの)初期の作品では今までの映画をぶち破るような意識があったけど、あまりにも観客動員数が少なくなって、ついつい暴力映画やお笑い映画に走って損失を取り戻したりしていた。今回は人の映画ですから、損失を出しても俺のせいじゃない。喜んで出させて頂きました」と冗談交じりに出演理由を明かした。
評価についても「良い意見も悪い意見も今回の場合は特にあると思う。それが映画の面白いところ」とさらり。ベルリン国際映画祭への出品は、「昨今は映画の興行収入ばっかりが表に出る。映画の良き時代をもう1回思い出せるような映画なので、こういう映画も改めて見直してほしいということで、参加できるのは良かったと思っています」と、映画界の現状に一石を投じる意味で喜んだ。
一方の西島は、「アート映画に温かい映画祭だと聞いているので、目の肥えた観客の皆さんに楽しんで頂けたらたら」とニッコリ。たけしとの共演を振り返り、「監督の演出に対して(意見せずに)120%で向かう。これだけ映画に対する造詣の深い方が、いち俳優として参加する姿勢は素晴らしい」「ワン監督は意見を求めることも多い。北野さんが出すイメージやアイディアの豊富さにも感銘を受けました」と最敬礼だった。
西島からの尊敬の眼差しに照れた様子を見せていたたけしだったが、その後の特別上映会の舞台挨拶では、「(西島は)日本を代表する役者さんで、同じ画面に出ることが光栄でございます。できたらサインのひとつももらいたい。死んだおふくろに見せたい。」と、お返しとばかりに西島を褒め称えた。突然の言葉に驚いた様子を見せた西島だったが、名匠からの言葉に満面の笑みを浮かべた。
また、たけしは「映画は見て、食事をして、語り合うという文化のきっかけでもある。(今作は)そのような映画なので、決して分からなかったつまらなかったと言わずに、分かってなくても『すごい!』という風に……」と観客を“説得”。とぼけた様子で会場の笑いを誘ったが、「ワン監督に言わせれば、あらゆる解釈が当たりということなので楽しんでください」と主演作への愛情を見せていた。
「女が眠る時」は、スランプに陥った作家の清水健二(西島)が、妻と訪れたリゾートホテルで初老の男・佐原(たけし)と若く美しい女・美樹(忽那)の、謎に満ちたカップルに執着していくさまを描く。2月27日から全国で公開。
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