“様々な人間の内面を描くことが映画を作る理由”と坂口香津美監督
2015年12月17日 23:58

[映画.com ニュース]認知症とうつを患う高齢の実母の絶望と再生にカメラを向けたドキュメンタリー映画「抱擁」(2014)が、平成27年度文化庁映画賞文化記録映画優秀賞を受賞した坂口香津美監督が12月8日と10日、都内で「家族と命を見つめる異才の映像作家 坂口香津美監督特別上映会」を開催し、DVD未発売の初期2作品「青の塔」と「カタルシス」の上映とトークショーを行った。
坂口監督の1作目である劇映画「青の塔」(00)は、妹を亡くし、ひきこもりの生活を続ける19歳の青年が、ふとしたことで出会った少女との心の交流を通じて、自立への一歩を踏み出す物語。坂口監督は、「ひきこもりの生活を続ける青年が、深く傷ついた少女の心に光を当てる。いつしか少女の心の回復が青年に生きる力を与える。様々な人間の内面を描くこと、それが僕の映画を作る理由」と語った。
「カタルシス」(02)は2作目の劇映画で、殺人を犯した17歳の少年が少年院を仮退院後、家族とともに母親のふるさとの島へ帰る旅路を描く。「神戸連続児童殺傷事件(97)がなければこの作品は生まれていない」と言う坂口監督は、映画を撮影する前に神戸の少年Aの家を訪ねている。また、「20年余り経ち、事件は風化しつつあるかもしれないが、少年が犯した罪は消えない。重要なことは、罪の自覚を持ち続けること。それが加害者となった者の宿命だと思う。同時に、私たちの社会は何ができるのか。少年犯罪が起こる度に、実は現実は何も変わっていないのではないか、と暗たんたる気持ちになる」と語った。
坂口監督は現在、最新作「曙光」の来年早春の撮影に向けて準備に入っている。同作は、日本でも毎年3万人にのぼる自殺問題にスポットをあて、自殺と向き合い生き抜く人々を描く愛の衝撃作。12歳の少女が自ら命を絶ち、残された母親は自殺しようとする人々を救出することにその後の人生を捧げる。自殺しようとする人と救出しようとする人たち、両者の思いが大都市を舞台に交錯する物語だ。
なお、ネット経由で一般から資金調達を募るクラウドファンディングのプラットフォーム「MotionGallery」で資金調達(http://eiga.com/official/motion-gallery/)を行っている。目標金額は100万円で、期間は来年1月29日まで。特典には、映画の鑑賞券、DVDやエンドロールへのクレジットなどのほか、これまでテレビのドキュメンタリー番組を200本以上、6本の映画を手掛けている坂口監督による、コレクター(支援者)のドキュメンタリー映像製作という貴重な特典もある。坂口監督の前2作品「抱擁」、「シロナガスクジラに捧げるバレエ」(15)もMotionGalleryで資金調達を行い、劇場公開を果した。
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