東京グランプリのR・ベリネール監督歓喜「特別なもの扱っている感触あった」
2015年10月31日 21:45

[映画.com ニュース] 第28回東京国際映画祭の各賞受賞者が10月31日、クロージングセレモニー後に会見した。東京グランプリと最優秀女優賞(グロリア・ピレス)の2冠に輝いたブラジル映画「ニーゼ」のホベルト・ベリネール監督は、「この映画を作っている時から、何か特別なものを扱っている感触があった。期待する部分もあったが、多くの素晴らしい映画がある中でチャンスを勝ち取ることができた」とあらためて喜びをかみしめた。
男社会でショック療法が重用されていた時代に、芸術療法を取り入れた実在の女性医師ニーゼ・ダ・シルベイラの苦闘を追った作品。13年前からリサーチを始め、当初予定していた監督が降板し、自らがメガホンをとることを決意したベリネール監督は「ニーゼと同じ時を過ごした統合失調症の患者と親しくなり、ニーゼの存在がどんどん近いものになっていった。周りからやめろと言われたこともあったが、彼女はブラジルの精神医療に大きな役目を果たした人。この物語は絶対に伝えなければならないという思いがあった。うまくできたんじゃないかなと思う」と満足げに語った。
女優賞のピレスはブラジルでは売れっ子のベテラン女優。こちらも当初は別の女優が決まっていたが、体調不良のため降板。共通の知人を介してピレスに脚本を送ったが読んでもらえなかったという。しかし、「ピレスの夫が読み、絶対にやりなさいと強く推してくれたから出演してもらえた」と経緯を明かした。ベリネール監督はメールで受賞を伝えたそうだが、時差の関係もあり「寝ているようなので、まだ返事は来ていないんだ」といたずらっぽく笑った。そして、「彼女が出てくれたことで中規模くらいの映画にはなったと思うし、この映画がさらに世の中に広まっていくチャンスをもらった」とうれしそうに話した。
最優秀監督賞を射止めたトルコ・ハンガリー合作「カランダールの雪」のムスタファ・カラ監督は、「今回の映画祭の中で最も長く困難な映画だったと思うが、東京の観客、審査員に理解してもらえたことをうれしく思う」と感激の面持ち。最優秀芸術貢献賞のチェコ・ドイツなど5カ国合作「家族の映画」のオルモ・オメルズ監督も、「典型的なドラマ展開ではないのに、日本の反応はとても温かくオープンだった。とても光栄だ」としみじみ話した。
観客賞に選ばれたイタリアのコメディ映画「神様の思し召し」のエドアルド・ファルコーネ監督は、「イタリア的な魂を持った映画を、愛情を持って迎えてくれた。皆が笑って感動しているところに自分がいられることがうれしい」と満面の笑み。「日本映画スプラッシュ」部門で作品賞を獲得した「ケンとカズ」の小路紘史監督は、「日本で一番の映画を作ってやろうという思いはあった。200万円くらいで作ったけれど、フラットに選考してもらえたと思う。東京国際映画祭に恥じない監督になりたい」と気持ちを新たにしていた。
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