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太賀、中川龍太郎監督自伝映画に主演「想像をどう超えていけるかという勝負」

2015年10月31日 04:00

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中川龍太郎監督の自伝映画で役者魂 を見せた太賀(左から2人目)
中川龍太郎監督の自伝映画で役者魂 を見せた太賀(左から2人目)

[映画.com ニュース] 若手俳優・太賀が主演する「走れ、絶望に追いつかれない速さで」が10月30日、第28回東京国際映画祭「日本映画スプラッシュ」部門で上映され、太賀をはじめ共演の小林竜樹、製作総指揮の木ノ内輝中川龍太郎監督が東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に出席した。

映画は、中川監督の自伝的物語となっており、他界した大学時代の友人との関係を描いている。主人公・村上漣は中川監督自身がモデルのキャラクターで、太賀は「(中川監督と)かなりディスカッションしました。撮影に入る前から散々会って、飲み、くだらない話をいっぱいしました。中川監督の人を知れればいいなと思った。自伝は難しいが、現場に入ったときは中川さんの想像をどう超えていけるかという勝負だった」と力強く語り、「嫌われてもいいやというくらいぶつかっていこうと」と役者魂を見せた。

さらに、若くしてこの世を去った友人をモデルにした葛西薫を演じる小林は、2年前に中川監督から友人との青春群像劇の企画を聞いていたと明かす。「監督から『親友に面白くてクレバーなやつがいる。そいつの役をやってほしいんだ』という要望を頂きました。『絶対紹介するからね』と話をして盛り上がって別れたその2日後に、彼の訃報を聞きました」と声を詰まらせ、言葉を選びながら神妙な面持ちで語った。

また、自らの悲しい過去をあえて描いた中川監督は、「題材が自分の実体験に基づいている部分もあって、プライベートな作品でもある。それが今日公開されることで、映画としてパブリックなものになった」と晴れやかな笑顔を見せていた。中川監督は「愛の小さな歴史」(2015)が第27回東京国際映画祭の同部門で上映されており、2年連続の同映画祭参加となった。

走れ、絶望に追いつかれない速さで」は、青春時代をともにした親友・薫(小林)の死を受け入れられずにいる漣(太賀)の苦しみとともに、ひとりの人間の死が周囲の人間を翻ろうしていくさまを描いた。2016年公開。第28回東京国際映画祭は、10月31日まで開催される。

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