有村架純が作品にもたらす、高次元での安定感と落ち着き
2015年10月14日 06:00

[映画.com ニュース] 有村架純が満を持して初の連続ドラマ主演に挑んだ「連続ドラマW 海に降る」(WOWOW)が10月10日から放送されている。ここ数年、学生を演じる機会の多かった有村だが、本作では有人潜水調査船「しんかい6500」の日本人初の女性パイロットを目指し、組織の中で奮闘する天谷深雪を熱演している。
「ストロボ・エッジ」「ビリギャル」と立て続けに主演映画をヒットに導き、間違いなく同世代の女優のトップ集団を走る有村だが、本作が意外にも連ドラ初主演。それが民放ではなくWOWOWの作品であることに特別な思いを抱いているよう。WOWOWのドラマについて「濃密」「社会派」「質感も映画のよう」と印象を口にし「そんな作品に参加できることは、素直に恵まれていると思いました。嬉しい出合いでした」と喜びを口にする。
まさに有村のイメージ通り、本作もWOWOWならではの骨太なドラマが特徴。深海探査というロマン、深雪の成長物語だけでなく、有村は組織内の人間ドラマを本作の魅力に挙げる。「組織の中でいろんなことが起こり、モヤモヤするんです。台本読みながら『何でこんなこと言えちゃうのっ!』と一人でイライラしたりしてましたが(笑)、そう思わせるところが面白い! 感情が揺れ動く瞬間がたくさんあって、読みながら止まらなかったです」。
「アルマゲドン」がお気に入りの映画だという有村だが、本作に同じ匂いを感じたようで「台本を読みながら『アルマゲドン』のテーマソングをここで流したらカッコいいな…とかイメージして(笑)、モチベーションが上がりました!」と明かす。
男たちの中で負けん気を発揮し、深海への夢を追いかける深雪を有村は「ぶっきらぼうと言われようが、周りを気にせず意志を貫こうとする姿勢はカッコいい」と語る。また「私もこの仕事をする上で、夢や目標だけは持つようにしようと思っているので、そこはすごくわかります。役者の世界も性別とか、年齢は関係なく、一人の役者として立たなくてはいけない場所なので似ていると思います」と自らと重ね合わせ共感する部分もあったようだ。
もはや“ブレイク”という時期を過ぎ、高い次元での安定感と落ち着きさえ漂わせる。それを実感させられたのが、有村が芝居に対するスタンスの変化について語ったこんな言葉。「『爪痕を残そう!』と意識すると空回りしてしまうんです(苦笑)。やろうとすると力が入ってセリフも変に力んでしまうので、リラックスした状態が一番いいんだということをこの5年の間で学んで…最近、やっとそこに気づけるようになりました」。
初主演を含む本作での経験について改めて「すごく大きかったです。また一つ、乗り越えられたという気持ちです。深雪をやり遂げられて自信というか、自分の中でまた一つ(経験という)積木が重ねられた感じです」と充実した表情を見せた。「海に降る」は、WOWOWで毎週土曜午後10時から放送中。
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