【NYのリアルな今がいっぱい】アン・ハサウェイ出演「マイ・インターン」ロケ地をめぐる
2015年10月1日 10:00
[映画.com ニュース] ナンシー・マイヤーズ監督の最新作で、アン・ハサウェイがファッション通販サイトのCEOを演じた映画「マイ・インターン」はニューヨークが舞台。なかでも、ここ数年で急速に変化を遂げ、若者たちから人気を集めるブルックリンで多くの場面が撮影されているんです。そこで、“ニューヨークのリアルな今”が感じられるロケ地を実際にめぐってきました!
メインの撮影場所となったのは、ハサウェイ演じるジュールズが運営するスタートアップ企業「アバウト・ザ・フィット」のオフィス。ブルックリンのレッドフック地区にあるという設定ですが、実はブロンクスにある写真スタジオで撮影されました。ファッション誌のスチル撮影で使用されることが多く、ハサウェイも以前に2度仕事で訪れていたんだとか。この建物、1970年代まで55カ国の紙幣を製造する印刷所だったそうで、約930平方メートルの広々としたフロアにはかまぼこ型の大きな窓と天窓から自然光が差し込み、レンガ造りのインダストリアルな雰囲気ながら明るく落ち着ける空間になっています。いまでは高級コンドミニアムが立ち並ぶマンハッタンの川沿いも、昔はこのような建物がたくさんあったと、オーナーのデビッド・アップルソンさんは懐かしそうに話していました。
このスタジオには、シニア・インターンとしてジュールズのアシスタントを務めることになったベン役のロバート・デ・ニーロにまつわるエピソードが盛りだくさん。名優がいることを聞きつけ集まってきた子どもたちにサインしたり、写真撮影に応じたり、とてもフレンドリーだったというデ・ニーロは、昨年この場所で71歳の誕生日を迎えました。そこでスタッフたちは印刷所の歴史が書かれた本をプレゼントしたほか、甘いものが得意でない大御所のため、ひいきのイタリアン・レストランにトマトやモッツアレラチーズを使った特製ケーキを用意してもらいお祝いしたそうです。一方のハサウェイは、ジュールズがオフィス内を自転車で移動する場面について、「ゆっくりペダルを漕ぎながら、早口でせりふを言っていたの」とトーク番組で裏話を披露していました。
ジュールズが専業主夫のマットと娘ペイジと暮らす自宅の撮影が行われたのは、ブルックリンのなかでも人気上昇中のクリントンヒルという住宅地。「ブラウンストーン」と呼ばれる、長屋のようなアパートメントはブルックリンの定番スタイルです。リッチな大豪邸ではなく、リアルな暮らしが垣間見えそうなアパートメントなのが、ジュールズに親近感が沸いてきちゃうポイントでもあるんです。一般人の住宅のため建物内に入ることはできませんでしたが、玄関前の階段には手入れの行き届いた植物が飾られていて、見るからにステキな家族が住んでいそう!
続いては、ウィリアムズバーグ地区にある「トビーズ・エステイト」というカフェ。ここは、年上の部下にどう接すればいいのか戸惑っていたジュールズがベンに心を開き、あるオファーをした場所です。両側の壁一面に並べられたディスプレイがセンス抜群で、劇中に登場する「アバウト・ザ・フィット」のオフィスさながらの開放感と活気にあふれています。午後3時過ぎに訪れたところ、ノートパソコンを開いたノマドワーカーらしき人たちでほぼ満席。焙煎機が置かれた居心地の良い店内には、クリエイティブな時間が流れていました。
最後に訪れたのは、同じくウィリアムズバーグにある「テディーズ・バー&グリル」。創業は1887年、かつてはビール醸造所直営の酒場だった、ブルックリンで最も歴史ある老舗バーです。20年、30年と通い続ける常連客がいる一方、最近引っ越してきた若者たちもよく来店しているそうで、おばあちゃん2人組の隣に若いカップルが座り交流が生まれるなんてこともあるんだとか。まさに世代を超えた友情を描いた本作にぴったりの場所なんです。さらに、劇中でジュールズがテキーラのショットを飲んでいたことから、テキーラベースのオリジナルカクテル「The Intern」を販売。クランベリージュースの甘酸っぱさにオレンジゼストやシナモンを効かせた秋らしい味わいなので、ジュールズのようについつい飲みすぎてしまうかも!?
ニューヨークといえば、大都会マンハッタンのエネルギッシュなタイムズスクエアやセレブなアッパーイーストサイドなどが真っ先に思い浮かびますが、本作の舞台となったブルックリンはほどよい生活感とクリエイティブな空気が感じられるエリア。歴史ある建物がリノベーションされ、若いクリエイターたちが拠点を置くブルックリンこそ、古き良き精神を知る紳士と仕事に家庭に大奮闘するアラサー女子の友情を語るのにうってつけの場所といえるでしょう。
「マイ・インターン」は10月10日公開。
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