北村昭博の「ムカデ人間3」セリフは故ロジャー・エバート氏の批評が元ネタ
2015年8月21日 20:15

[映画.com ニュース] 「ムカデ人間」(2009)でムカデ人間1号を演じた俳優・北村昭博が、シリーズ最新作「ムカデ人間3」の公開にあわせて来日し、東京・恵比寿の映画.com編集部を訪問。カメオ出演した第3弾にまつわる秘話を明かし、「ムカデ人間」愛をほとばしらせた。
第1作の全米公開時、アメリカを代表する評論家の故ロジャー・エバート氏は、「星の採点システムでは評価できない。この映画は星も輝かない世界を占拠している」と評しており、北村は「ただけなすだけではなく、本質を分かってくれている」と感じていたという。本作で、「アキ(北村)にぜひ言ってほしいセリフがある」というトム・シックス監督のオファーを受けてみると、エバート氏の言葉が「このゴミ映画は星も輝かぬ世界を占拠しているのだ」というセリフとなって用意されており、シックス監督の心意気に感激したようだ。
演技学校卒業後、映画業界での初仕事が「ムカデ人間」となった北村にとって、シックス監督は「僕を見つけてくれた人。いろいろな監督とやってきたけれど、一番大切な監督なのでどんな映画にでも出たい」と感じる存在だ。「オリジナル作品をつくらない映画監督なんて死も同然だという感じで、ぶれないんです。いつもニヤニヤしていますが、一緒に頑張っていこうという熱さがあるので尊敬できます。ファンのためにあのセリフを言ってほしいというのと同時に、戦友として僕に(現場を)共有してほしいと思ったのでは」と話に熱を帯びていく。
「ホラー映画のコンベンションに行っても、『悪魔のいけにえ』などレジェンドがいて、『ムカデ人間』が一番若い。そのなかに入っているのはすごいなと」と「ムカデ人間」はカルト作品としての地位を築いている。そんなシリーズに名を連ね「一俳優として、一人間として、これだけ愛されている作品に出るということは幸せです。毎日すごくパワーをもらっています」。そして、「(シックス監督は)『ムカデ人間』だけだと思われるのが一番嫌だと思うので、次回作の『The Onania Club』も『ムカデ人間』の上をいくようなオリジナリティをぶちかましてくると思います。出られたらいいですね」と意欲をのぞかせた。
「ムカデ人間3」は、8月22日から全国で公開。
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