二階堂ふみ&長谷川博己、戦後70年に改めて戦争への思い語る
2015年8月8日 15:10

[映画.com ニュース] 芥川賞作家・高井有一氏の小説を原作に、荒井晴彦監督が18年ぶりにメガホンをとり映画化した「この国の空」が8月8日、全国13スクリーンで公開初日を迎え、荒井監督をはじめ主演の二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴が東京・テアトル新宿での舞台挨拶に出席した。戦争という極限状況だからこそあり得た、許されざる恋の行方を描く本作。戦後70年を迎え、登壇陣は改めて戦争に対する思いを語った。
主人公・里子を演じた二階堂は、「戦争ということを考え続けることが、戦後80年、90年、100年という日本を作っていくのに大事なことだと思う」と力説。そして、本作に出演したことで「これから先も、当時を強く生きた人たちのことを考えたい。そういう気持ちは一層強くなったと思います」と明かした。
相手役の銀行員・市毛に扮した長谷川も、「70年という時間が経って、僕は親族や親から戦争の話はいっぱい聞いていました。この年になってこういう作品に携われて、もう一度、戦争とは何かを考えさせて頂いた」と同調する。里子を見守る母役の工藤は、「平和に対しても私たちは感謝が少ないような気がする。いろんなものに感謝する気持ちを、もう一度取り戻さなくてはいけない」と思いを新たにしていた。
一方、荒井監督は「誰も死なないし、兵隊も出てこない。今の日本の映画界で、こういう地味な映画ができただけで奇跡だと思っています。(詰めかけた)お客さんが、(長谷川出演の)『進撃の巨人』ほどじゃなくても」とリップサービス。さらに、「いわゆる反戦映画っぽくないので、安倍政権がああいうことをやるなら、もっと過激な反戦映画にすればよかったのですが、ただただごはんを食べているだけなので、あまり衝撃はないなと思っています」とひょうひょうと語っていた。
それでも最後には、「この映画を見た人からの、戦争はもっと悲惨だ、映画に出てくる人は甘い、非国民だという意見がネットにあった」としたうえで、「国が間違った場合は、非国民の方が正しいと思います。今また、この国は間違いそうになっていますので、僕は非国民になろうと思います」と毅然と決意表明。客席からは、割れんばかりの拍手が沸き起こっていた。
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