映画.comでできることを探す
作品を探す
映画館・スケジュールを探す
最新のニュースを見る
ランキングを見る
映画の知識を深める
映画レビューを見る
プレゼントに応募する
最新のアニメ情報をチェック
その他情報をチェック

フォローして最新情報を受け取ろう

検索

【マーベルも太鼓判】Netflix快進撃の秘訣は、徹底したクリエイター至上主義

2015年8月7日 12:30

リンクをコピーしました。
Netflix 受付。エミー賞のトロフィーは 「ハウス・オブ・カーズ 野望の階段」で受賞したもの
Netflix 受付。エミー賞のトロフィーは 「ハウス・オブ・カーズ 野望の階段」で受賞したもの

[映画.com ニュース] Netflixの本社は、シリコンバレーのロスガトスにあるが、ロサンゼルスのビバリーヒルズにもオフィスがあって、そこにはおもに映像コンテンツを開発・調達するチームが集まっている。業務の性質上、ハリウッドに近い方が好都合なのだ。

ビバリーヒルズのオフィスは、クールでクリエイティブな雰囲気に満ちている。執務スペースの傍らには、アンティークなソファーやランプシェード、モダンアートがあちこちに見られ、そこで働くスタッフたちのこだわりが感じられるスペースだ。

今回、Netflixを取材していてもっとも印象的だったのは、その快進撃の裏側に、徹底したクリエイター至上主義があるということ。彼らにとって、コンテンツ(=番組)を作るクリエイターこそが一番重要であり、クリエイターの自由のためには協力を惜しまないという風土がある。Netflixで初めてのドラマシリーズとなった「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を作ったデビッド・フィンチャーにしても、最近「センス8」というユニークなシリーズを作ったウォシャウスキー姉弟にしても、このNetflixのクリエイター至上主義によって、のびのびとその実力を発揮することができたことは想像に難くない。

この春から、Netflixでは「デアデビル」というシリーズがスタートしているが、このシリーズの制作を担当したマーベルのテレビ部門責任者ジェフ・ローブは、我々の取材に対してこう語っている。

マーベル社のジェフ・ローブ。ニューヨーク4部作をNetflixと制作する
マーベル社のジェフ・ローブ。ニューヨーク4部作をNetflixと制作する

「マーベルのユニバースには、アベンジャーズやスパイダーマンのような、地球を背負って立つヒーローだけじゃなく、ストリートレベルのヒーローもいるんだ。特別な力も持ってない、人間として傷ついたりする等身大のヒーローがね。こうしたヒーローを描こうとしたとき、これまでとは違う場所が必要になった。既存のテレビ局とも、映画スタジオとも違う場所がね。それがNetflixだったというわけなんだ。

例えば『デアデビル』は、まず何より犯罪ドラマであり、その次にヒーローものであるという考え方で作られた。さらにNetflixで配信することになって、民放に比べてバイオレンス描写を増やすことも可能になった。『デアデビル』は、16歳以上を対象とした番組を目指しているんだ。だからと言って、子どもたちが見ないというわけじゃない(笑)。何しろマーベルの作品なんだから。

つまり私たちは、この番組を作るにあたり、今言ったことすべてを理解してくれるパートナーが必要だった。Netflixの興味深かったことのひとつは、彼らがクリエイターに優しい会社であるということ。彼らは、私たちが語りたいと思う方法で、私たちの物語を語らせてくれる。決して、視聴率至上主義の会社ではないんだ。

例えば、4大ネットワークのABCで番組を作る時は、必ず『女性がたくさん登場すること』『ロマンスがたくさんあること』を要請される。それが視聴者にとって大事だからね。だけどNetflixは、キャラクターにとって最高の方法で物語を語らせてくれるんだ。だから『デアデビル』が放送された時は、みんなものすごく驚いてくれたよ。マーべルはこれまで、こういう番組を作ったことがなかったからね。それができるのはNetflixだけなんだよ」

9月2日サービス開始時の注目作、 MARVELの「デアデビル」
9月2日サービス開始時の注目作、 MARVELの「デアデビル」

Netflixはマーベルと共に「デアデビル」以外にも、「ジェシカ・ジョーンズ」「アイアン・フィスト(原題)」「ルーク・ケイジ(原題)」というシリーズを4作作り、その上、それらがすべて集結する「ディフェンダーズ(原題)」という番組も制作することが決まっている。これはストリート版の「アベンジャーズ」みたいなものだ。

このNetflixのクリエイター至上主義は、たちまちハリウッドで評判となった。Netflixのピーター・フリードランナー(バイスプレジデント・オブ・オリジナルシリーズ)は次のように語る。

「ある日、ウォシャウスキー姉弟が新しいシリーズの企画を持ってNetflixにやってきたんだ。彼らはすでに3つのエピソードを書いていた。それは『12時間の映画』と呼ぶに相応しい作品で、8カ国9都市で撮影するというプランだった。我々はその企画を見た後、もっと時間の枠を自由に使ったり、各エピソードの長さをフレキシブルに考えたりとか、Netflixだからできることを色々と提案してあげたんだ。彼らはとても興奮していたよ。キャラクターが8人出てくるんだけど、頭からじっくりと掘り下げることができるからね」

今やNetflix側から何かをオファーしなくても、クリエイターたちがいろいろNetflixに合った企画を持ってくるのだそうだ。そして彼らは、クリエイターに対してとても寛容である。

「ウォシャウスキーの『センス8』だって、もともと10時間で作りたいと言われてGOを出したんだが、実際に撮影してみたら、彼らはあと2話追加して12時間欲しいと言ってきたんだ。『ああ、構わないよ』って言ってあげたよ。そんな感じでフレキシブルに対応しているのさ」

Netflixのエグゼクティブたちは、皆余裕しゃくしゃくの態度でインタビューに答えてくれる。何というか、全能感にあふれているのだ。彼らには「失敗」という感覚がないのかもしれない。「クリエイターを信じて彼らの自由にやらせれば、失敗なんか起きるはずがない」とでも言いたげな表情なのである。

Netflixは、9月2日からサービス開始である。(取材・文:編集部 駒井尚文

ディズニープラス
デアデビル
をディズニープラスで今すぐ見る

PR

デビッド・フィンチャー の関連作を観る


Amazonで関連商品を見る

関連ニュース

映画.com注目特集をチェック

関連コンテンツをチェック

シネマ映画.comで今すぐ見る

止められるか、俺たちを

止められるか、俺たちを NEW

2012年に逝去した若松孝二監督が代表を務めていた若松プロダクションが、若松監督の死から6年ぶりに再始動して製作した一作。1969年を時代背景に、何者かになることを夢みて若松プロダクションの門を叩いた少女・吉積めぐみの目を通し、若松孝二ら映画人たちが駆け抜けた時代や彼らの生き様を描いた。門脇むぎが主人公となる助監督の吉積めぐみを演じ、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」「11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など若松監督作に出演してきた井浦新が、若き日の若松孝二役を務めた。そのほか、山本浩司が演じる足立正生、岡部尚が演じる沖島勲など、若松プロのメンバーである実在の映画人たちが多数登場する。監督は若松プロ出身で、「孤狼の血」「サニー 32」など話題作を送り出している白石和彌。

青春ジャック 止められるか、俺たちを2

青春ジャック 止められるか、俺たちを2 NEW

若松孝二監督が代表を務めた若松プロダクションの黎明期を描いた映画「止められるか、俺たちを」の続編で、若松監督が名古屋に作ったミニシアター「シネマスコーレ」を舞台に描いた青春群像劇。 熱くなることがカッコ悪いと思われるようになった1980年代。ビデオの普及によって人々の映画館離れが進む中、若松孝二はそんな時代に逆行するように名古屋にミニシアター「シネマスコーレ」を立ち上げる。支配人に抜てきされたのは、結婚を機に東京の文芸坐を辞めて地元名古屋でビデオカメラのセールスマンをしていた木全純治で、木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子、井上淳一ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。 前作に続いて井浦新が若松孝二を演じ、木全役を東出昌大、金本役を芋生悠、井上役を杉田雷麟が務める。前作で脚本を担当した井上淳一が監督・脚本を手がけ、自身の経験をもとに撮りあげた。

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命 NEW

19世紀イタリアで、カトリック教会が権力の強化のために7歳になる少年エドガルド・モルターラを両親のもとから連れ去り、世界で論争を巻き起こした史実をもとに描いたドラマ。 1858年、ボローニャのユダヤ人街に暮らすモルターラ家に、時の教皇ピウス9世の命を受けた兵士たちが押し入り、何者かにカトリックの洗礼を受けたとされるモルターラ家の7歳になる息子エドガルドを連れ去ってしまう。教会の法に則れば、洗礼を受けたエドガルドをキリスト教徒でない両親が育てることはできないからだ。息子を取り戻そうとする奮闘する両親は、世論や国際的なユダヤ人社会の支えも得るが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じようとはせず……。 監督・脚本は、「甘き人生」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「シチリアーノ 裏切りの美学」などで知られるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。教皇ピウス9世役はベロッキオ監督の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」にも出演したパオロ・ピエロボン。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

コカイン・ブライド

コカイン・ブライド NEW

娘・ダーシャの将来のため、暴力的な夫から逃れようとマッチング・サイトに登録したニーナは、アメリカで暮らす裕福な引退した外科医・カールと出会う。すぐさまロシアからアメリカへと渡った親子は、ささやかな結婚式を行い、幸せな生活を楽しみにしていた。しかし、結婚式の直後から、ニーナとダーシャに不可解な現象が次々と降りかかる。頼りにしていたニーナの親戚は結婚式の帰路で事故死し、ダーシャは屋敷の中で女の幽霊を見るようになる。そんななか、ニーナはカールがコカインを吸っているところを見てしまう。ダーシャの将来を考えやりきれなくなったニーナは、人里離れた屋敷から出ていくことを決意するが…。

キャンディ・ウィッチ

キャンディ・ウィッチ NEW

現世に残る死者の声を聞く能力者のリースとその相棒兼恋人のキャットは、霊障に悩む人々からの依頼を受け、心霊現象の調査と除霊を行っている。ある夜、ルースという女性から「キャンディ・ウィッチに苦しめられている」と連絡を受けたリースは、キャットと共にヘザーの家を訪れる。お菓子の杖で子供を襲うキャンディ・ウィッチの正体は、かつて町の子供たちを虐待し苦しめた邪悪な乳母の悪霊だという。しかし、調査を進めるにつれ、キャンディ・ウィッチの呪いに隠された町の暗部が明らかになっていく。果たしてリースは、この悪霊の殺戮を阻止し、町にはびこる邪悪な呪いを解くことができるのか?

蒲団

蒲団 NEW

文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。

おすすめ情報

映画ニュースアクセスランキング

映画ニュースアクセスランキングをもっと見る

シネマ映画.comで今すぐ見る

他配信中作品を見る