柳楽優弥が菅田将暉が…真利子哲也監督の商業映画デビュー作で若き才能が共闘!
2015年8月3日 05:00

[映画.com ニュース] 国内外から注目を浴びる新鋭・真利子哲也監督の商業映画デビュー作「ディストラクション・ベイビーズ」の製作が決まり、柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎という若手実力派俳優たちが出演していることが明らかになった。
真利子監督は、東京藝術大学大学院修了作品「イエローキッド」(2010)が話題を呼び、宮崎将と「ももいろクローバー」が出演した短編「NINIFUNI」(11)が第64回ロカルノ国際映画祭、第41回ロッテルダム国際映画祭、第13回チョンジュ国際映画祭で特別上映され、メジャーデビューが待ち望まれていた。「桐島、部活やめるってよ」で知られる喜安浩平と共同で脚本を執筆した今作の舞台となるのは、愛媛・松山。ケンカに明け暮れる主人公・芦原泰良との出会いにより、若者たちの欲望と狂気が目を覚ましていくさまを描く。
タイトルの由来は、「ディストラクション」が「Distraction(気晴らし、動揺)」「Destruction(破壊)」という類似する発音で2つの意味を持ち、今作に登場する若者たちの群像劇を象徴していることから命名された。その「ディストラクション」の代名詞ともいうべき主人公の泰良を演じるのが、柳楽だ。5月28日からのオール松山ロケを終え、「暴力描写がとても多く、少年犯罪という問題をベースにストーリーが進んでいきます。このような題材がオリジナル脚本から劇場で公開されることを、とても嬉しく思います」と語っている。
松山の中心街で強そうな相手を見つけてはケンカを仕掛け、打ちのめされても食い下がるという役どころ。真利子組については「監督、スタッフ、キャスト皆が同じベクトルをもってこの作品を盛り上げ、撮影現場には常に危うさと興奮がありました。劇中、泰良が発する言葉は五つほどしかなく、その代わりに行動や表情から彼の気持ちが表現出来ていれば嬉しいです。そして、真利子組で泰良という役を演じる事が出来て光栄でした」と感謝の念をにじませた。
一方の菅田は、街で暴れる泰良に「面白いことをしようや」と声をかけ、通行人をターゲットに無差別に暴行を加えていく北原裕也に息吹を与える。松山ロケに思いを馳せ「撮影中、『阿修羅みたいだったよ』とニヤニヤしながら真利子監督が近づいてきてくれた事がありました。その時、衣装合わせで『新しい菅田将暉を撮りたい』とおっしゃってくれた監督の顔が浮かび、僕もニヤニヤしました。とても心地良い瞬間でした」と述懐している。
また、泰良と裕也が強奪した車に乗り合わせていた少女・那奈に扮した小松は、自らの役を「心の底から悪い女」と評す。撮影中は集中するあまり、記憶があまりないというが「『孤独・恐怖・嫉妬・欺瞞』全くポジティブ要素がない役…。でも、やりがいはとてもありました」と充実感をにじませる。姿を消した兄・泰良を探すため、松山市内へとやってきた弟・芦原将太役を担った村上は、「磯臭い造船所に足をつかまれ、社会の埃にまみれて葛藤を強いられる将太の見る世界はどこもかしこも善意を感じられない。泰良を演じられた柳楽さんを筆頭に、僕らは伊予弁とともに生き、吠える」とコメントを寄せている。
10月に秋編の撮影を予定している真利子監督は、「オリジナルの題材で困難はあったものの今このタイミングでしか出来ないこともたくさん盛り込んで、集まった役者やスタッフをはじめ、愛媛で知り合った仲間たちもまじえて、ゼロから作り上げた手応えがあります。目下、痺れるような仕上がりになるように完成まで油断せずやっていこうと思う次第です」と意欲をみなぎらせている。
「ディストラクション・ベイビーズ」は、2016年初夏に東京・テアトル新宿ほか全国で公開。
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