「スモーク」ウェイン・ワン監督、日本映画に初挑戦!たけし、西島らに絶大な信頼
2015年7月13日 05:00
[映画.com ニュース] 「スモーク」で第45回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞したことで知られるウェイン・ワン監督が、「女が眠る時」で初めて日本映画のメガホンをとることが明らかになった。ウェイン監督は7月11日、クランクアップ直後に主演のビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリとともに都内で会見した。
オール日本人キャストで製作された今作は、スペイン人作家ハビア・マリアス氏が2009年に米ニューヨーカー紙に連載した短編小説「WHILE THE WOMAN ARE SLEEPING」を映画化するもの。ウェイン監督が同年に映画化権を手にし、12年にはマイケル・レイ、シンホ・リーによって英語版の脚本が完成したことを知った西島が、香港まで出向いて出演交渉を行ったという。
ウェイン監督は、「国際的な作品にしたいと思っていましたから、西島さんがわざわざ香港まで訪ねてくれたことは本当に嬉しい事でした」と振り返る。また、日本映画として製作するに際し、たけしの出演を条件としていただけに、快諾を得たことでクランクインに向けて大きく舵を切ることになった。たけしは、「事務所の社長がウェイン監督の作品にちょっと出てくれというから、『ああ、そうですか。監督の作品は好きですからいいですよ』ってね。台本をもらったら、私の名前が最初にある。『西島君が主演と聞いていたのに、これはおかしいぞ』と。読んでいったら、情けない変質者の役だった」と笑う。
映画は、処女作以降はヒット作に恵まれない小説家・健二(西島)が、妻の綾(小山田)と訪れたリゾートホテルのプールサイドで、初老の男・佐原(たけし)が若く美しい女・美樹(忽那)の体に表情ひとつ変えず日焼け止めクリームを塗る様子に目を奪われるところから始まる。異様な雰囲気を放つ親子ほど年の離れた2人の姿に健二は執着し、次第に部屋をのぞくまでに発展。ほんの好奇心から始まった行為は常軌を逸した行動へと変化し、予測し得なかった結末へと突き進んでいく。
6月16日に静岡・伊豆今井浜東急ホテルでクランクインした今作。ウェイン監督は、日本人スタッフについて「各国を見回してみても、これほど熱心で黙々と働いてくれるスタッフを見た事がない。本当に感動した」と絶賛。キャストに対しても、「直感が鋭い。英語が分からなくても、ゼスチャーで通じるしスムーズな撮影でした」と賛辞を惜しまなかった。
「女が眠る時」は、2016年に全国で公開。