田原総一朗、精神科医・名越康文と「アメリカン・スナイパー」愛を語る
2015年7月10日 15:20

[映画.com ニュース] クリント・イーストウッド監督がメガホンをとり、全米で2014年最大のヒット作となった「アメリカン・スナイパー」のブルーレイ&DVDリリースを記念したトークイベントが7月9日、都内で開催され、ジャーナリストの田原総一朗氏と精神科医の名越康文氏が登壇し、トークを繰り広げた。
イラク戦争で160人を射殺し、「米軍史上最強」とうたわれた実在の狙撃手クリス・カイルのベストセラー自伝を映画化した本作。田原氏は、開口一番「ここ数年見た映画で、最も感動した」と本作を手放しで称賛。名越氏も、「イーストウッド監督の最高傑作だと思います」と同意する。両者は、「イラク戦争は失敗だったと言われている。つまり、クリス(ブラッドリー・クーパー)が頑張れば頑張るほど、彼は悲劇のヒーローになっていくんです」(田原氏)、「戦争映画でありながら、家族や女性の内面をここまで描いた作品は今までない」(名越氏)と映画の特色をそれぞれ考察。迫力の戦闘シーンにおいては、田原氏の「ノンフィクション的な臨場感がある」という言葉を受け、名越氏が「撃たれた人ってこうなるんだと思った。神経が反応する感じ、あれは科学的な分析に基づいた演技ですね」と振り返っていた。
トークでは、名越氏が「スナイパーは、集団で動く海兵隊と違ってたったひとり。経験を共有できないから、次第にトラウマに陥り、社会的に不能になっていく」と、精神科医ならではの視点でクリスを評す一方、田原氏はイラク戦争に派遣された自衛隊員たちが自殺した例を挙げ、「戦っていなくても彼らは傷ついた。映画では、英雄がゆえの苦しみがクリスを待ち受ける」と語った。
現在85歳のイーストウッド監督に「自分もまだできるなって元気づけられた」と語る現在81歳の田原氏は、白熱のあまり観客を忘れ、名越氏と完全に向き合って話し込むなど、作品の魅力に取りつかれた様子。名越氏が、「イーストウッド監督は、『アメリカって何だ?』ということをずっと考えている監督」と言うと、「その通りだと思う。そんなイーストウッド監督を受け入れるハリウッドの度量もすごいよね」と同調する。意気投合した2人は、イベント終了後にがっちりと握手を交わしていた。
「アメリカン・スナイパー」ブルーレイ&DVDは現在発売中&レンタル中。
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