二階堂ふみ「蜜のあわれ」主演で妖艶な金魚に!室生犀星原作を石井岳龍監督が映画化
2015年7月8日 05:00

[映画.com ニュース] 大正期に活躍した詩人・小説家の室生犀星の小説を石井岳龍監督が映画化する「蜜のあわれ」に、女優の二階堂ふみが主演していることがわかった。大杉漣扮する老作家とともに暮らす少女・赤子を演じている。
犀星が晩年の1959年に発表した原作「蜜のあはれ」は、犀星の理想の“女(ひと)”の結晶といわれ、変幻自在の金魚の姿をもつ少女・赤子と老作家の会話で構成された、超現実主義的小説。妖艶な美しさをもつ赤子は、生活をともにしている老作家を「おじさま」と呼び、かなりエロティックできわどい会話を繰り返しながら、夜は体をぴったりとくっつけて寝ることもあるという役どころだ。
二階堂は今作で、ある時は女、ある時は真っ赤な金魚……という難役に挑んだ。原作は高校時代に初めて読んだそうで、「映画化するなら絶対に自分がこの赤子という役をやりたいなと思っていた」という。自らの役どころについては、「赤子はすこし自分自身が子どもにかえっているような気がしています。すごく無防備で、愛おしいキャラクターです」とほれ込んでいる。
撮影では、「高野文子さんの漫画の動きをイメージしたり、知り合いの子どもがやっていたことを真似してみたりとか、金魚ってこういう動きするかな…と手探りでやる作業がとても楽しかったです」と明かす。さらに、「人間以外の役をやるのかネコ、タヌキに続いて、実は3回目なんですが、意外と人間以外もいけるな、と思いました(笑)」と振り返った。
「最晩年にこんな小説を書いていたとは、まったく知りませんでした」と驚く石井監督は、「今回は以前からお仕事をしたかったけどかなわなかった、初めての方々とたくさんご一緒でき、緊張もしましたが同時に大きな喜びでもありました」と撮影が充実していたと語る。また、撮影の笠松則通とは20年ぶりのタッグが実現。脚本の港岳彦をはじめとする初タッグとなったスタッフとの仕事に、大きな刺激を受けたといい「本格文芸ドラマにファンタジー、エロス、ミュージカル要素なども盛り込まれ、それが目を見張る映像と美術世界の中に描かれます。見どころ満載の、おかしくて切なくて愛しい至福の作品になると思います」とコメントを寄せている。
そんな石井監督の現場を、2人の俳優も堪能した様子で「とても丁寧な紳士的な方で、俳優部の気持ちを優先させてくださって、やっぱり映画って素敵だなと改めて感じた現場でした」(二階堂)、「石井岳龍監督は言うまでもなく“映画の人”です。繊細と大胆を行き来する演出は、役者冥利の時間でもありました」(大杉)と話している。
「蜜のあわれ」は、2016年に公開。
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