「マッドマックス」ジョージ・ミラー監督が激白「宮崎駿は、私にとって神」
2015年6月5日 21:10

[映画.com ニュース] 伝説的アクションシリーズ30年ぶりの最新作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を引っさげ、8年ぶりの来日を果たしたジョージ・ミラー監督が6月5日、東京・ニコファーレで行われた記者会見に出席した。
同作は、荒廃した世界で繰り広げられる壮絶なアクションとカーバトルが大きな話題を集めているが、その異様な迫力は、CGに頼らずほぼすべてをリアルに撮影したたまもの。ミラー監督は「人間が飛ぶ話でもなく、宇宙船が出てくるわけでもない。とにかく“本物”という点についてこだわった」と語り、「安全性の確保のため走っている車での撮影は諦め、止まっている車で撮影して後から合成しようと考えていた、人が長い棒の上で弓なりになって車を行き来するシーン」でさえ、「素晴らしいスタントチームおかげで実現したんだ」と舞台裏を明かした。
前3作で主演したメル・ギブソンから、主人公マックス役を引き継いだトム・ハーディについては、「(かつての)オーディションでメル・ギブソンが入ってきた時と、全く同じ雰囲気を持っていた」と述懐。「出会う人と心を通わせたいという思いを抱きながらも謎めいていて、どこか危険な雰囲気と野生的なカリスマ性がある」と絶賛した。
そのギブソンは、監督によれば米ロサンゼルスでのプレミアで同作を鑑賞。「彼の後ろにはトム(・ハーディ)が座っていてね。メルは上映が始まるとくすくす笑い出して、その後、ひじ鉄を食らわせてきたりしたんだ。でも、最後には『素晴らしかった』と言ってくれてね。3人でハグをしたよ」と嬉しそうに続けた。
また今回の会見では、日本が世界に誇る映画監督のひとり、三池崇史とのオンライン対談も実現。「若いころに『マッドマックス』に出会い、非常に影響を受けてきました。新作は、前作を上回る素晴らしさでベスト1です!」と断言した三池監督は、「この作品の根っこには、今ある常識や時代が向かっていくものへの根本的な怒りや恐れがあり、それがモチベーションとなって、今の常識をぶち壊そうというのが作品の基になっていると感じた」と評した。
「ハリウッドで、そうした作品を作っていくことに恐れはないのか?」という三池監督の問いを受け、「常に不安、恐れはある」と答えたミラー監督。「三池監督もよくご存知だと思うが、映画作りというのは流動的なもの。予測不可能でコントロールできない。サーフィンのように、波によってどこに向かっていくのかが分からないんだ」と表現し、「ワーナー・ブラザースは、『これは典型的なハリウッド映画にはならない』ということを最初からとても理解してくれていたので、私としては非常に楽だったが、実際の撮影は大変だった」と、製作中断やロケ地の変更など、数々の危機を乗り越えてきた撮影を振り返った。
ミラー監督のデビュー作でもあった「マッドマックス」第1作が全米よりも先に公開され、世界的ヒットの先駆けになったのが日本。「宮崎駿は、私にとって神」と話し、一番好きな日本映画に「七人の侍」を挙げた監督は、「(初監督作を世に出した時は)どういう反応が寄せられるのかが分からず不安だった。『マッドマックス』を真の意味で理解し、認めてくれたのが日本の皆さん。ぜひ最新作をご覧いただきたい」と思いを寄せた。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、6月20日から全国公開。
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