我々の未来でAIロボットは善になる? 悪になる?「チャッピー」特別映像公開
2015年5月14日 10:00
[映画.com ニュース] 人工知能(AI)を搭載し、成長するロボットをめぐる物語を描いたSF映画「チャッピー」の特別映像が公開された。映像では、本作のメガホンをとったニール・ブロムカンプ監督や出演者のヒュー・ジャックマンらがAIロボットについて語っている。
悪役であるロボット開発者ヴィンセントを演じたジャックマンは、「人工知能は予測がつかない。将来起こるかもしれない事態なのに、皆見過ごしている。確かに人工知能は便利だが、誰が操作する?」と、本作で描いているAIロボットの成長に対して危機感をあらわにする。
また、アリゾナ大学の准教授ウォルフガング・フィンク博士は「AIロボットは自分で判断をしますが、その基準が正しいとは限りません。人間が守っているモラルや規範を持っていないかもしれません」と指摘。同大学でロボットを研究するアンソニー・ロドリゲス氏も「ロボットが意識を持つようになるかは疑問です。なぜなら我々人間が、意識がどこから生じるのかをまだ理解していないからです」と分析する。
一方で、ロドリゲス氏は「ロボットには多くの可能性があります。人間に協力的なロボットを作ればなおさらです」と、AIロボットが人間の未来にとって有用となる可能性を示唆する。ブロムカンプ監督も「高い知能レベルのロボットが自分の生みの親である人間に共感できないなんて僕には想像できない」と語り、「僕は進化に興味があるんだ。人間という形態は進化の過程であり、我々は自ら次の形態を選ぶのかもしれない。“チャッピー”を生んだのは人間の優しさだ」と、本作を手掛けた心境を吐露している。
2016年、犯罪多発都市の南アフリカ・ヨハネスブルクで世界初となる人工知能を搭載した兵器ロボットが誕生し、“チャッピー”と名付けられる。車の運転を素早く習得し、デッサンも楽々こなすなど急速に成長していくチャッピーは研究者たちに危険視され、「考えるロボットは人類の敵」だとして次第に追い詰められていく。
「チャッピー」は、5月23日から東京・丸の内ピカデリーほか全国で公開。