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盲学校舞台の恋愛映画「イマジン」、視覚障害者参加の上映イベント開催

2015年3月25日 07:00

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映画イベントの感想を述べる参加者
映画イベントの感想を述べる参加者

[映画.com ニュース]盲学校を舞台にした映画「イマジン」の公開を記念し、東京・渋谷の青山学院アスタジオで、視覚障害者とともに映画を楽しむイベント「耳でみる 音をみる」が3月24日開催された。

上映会では、イヤホンを通じて字幕の朗読と映像の説明の音声ガイドが、スクリーンの映像と同タイミングで流される。視覚障害者は頭の中で映像をイメージすることができ、また、晴眼者も同じ映画体験をできるよう、アイマスクが配布された。

上映会を主催した「虹とねいろプロジェクト」の松田高加子氏は、「視覚障害がある人もない人も一緒に映画を見ることを考えて主催している」とプロジェクトの目的を説明。上映後は視覚障害者と他の参加者がいくつかのグループに分かれ、それぞれの感想を語り合うなど、活発な意見交換が行われた。

ポーランド映画界の新鋭アンジェイ・ヤキモフスキによる本作は、盲学校の教師と美しい教え子が恋に落ちる恋愛映画。主人公の教師イアンは、白杖を持たず、自らの舌や指を鳴らし、周囲のものたちに反響する音を聞いて行動する「反響定位」(エコーロケーション)という手法を用い、車や行き交う人を避けながら道を歩いたり、物の位置を見事に探り当てたりする様が描かれる。

この日参加した、図書館司書の女性は「盲学校に通っていた時でも、エコーロケーションについてはあまり知らなかった」といい、「白杖を持つこと、抵抗すること以前に、人間として冒険心のある男の子を描いているのが面白かった。視力で見ているものがすべてではないと監督は表現したかったのかも」と感想を語る。視覚障害を持ちながらも、フリークライミングの世界大会で優勝経験のある小林幸一郎氏は「字幕の読み上げが男女一人づつだったので、一生懸命に聞かないと混乱してしまうことがあった。(映画の原語のような)英語の抑揚があったら、聞き手として楽しいと思った」と意見を述べていた。

イマジン」は4月25日から渋谷シアター・イメージフォーラムで公開。5月22日までの間、毎週月、水、金曜日に音声ガイド付き上映を行う。無料音声ガイドを先着順で各回10人に貸し出す。

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