「ペーパー・ムーン」ボグダノビッチ監督、「タイタニック」以降の大作偏重志向に苦言
2015年3月23日 13:50
[映画.com ニュース] 1970年代に「ラスト・ショー」や「ペーパー・ムーン」などの傑作を手がけてきたピーター・ボグダノビッチ監督が、ハリウッドの映画業界に苦言を呈した。
米カリフォルニア州のサン・ルイス・オビスポ映画祭で功労賞にあたるキング・ビダー賞を受賞したボグダノビッチ監督は、現在のハリウッドが巨額の製作費を投じた大作映画ばかりになってしまったのは、「タイタニック」がきっかけだと持論を展開。「最悪だったのは、キャメロンが『タイタニック』を作るときに1億5000万ドルも費やしたことだ。誰もがコケると思っていたのに、それが大成功したもんだから、みんなが同じことをやるようになってしまったんだ」。
ボグダノビッチ監督は、「ラスト・ショー」が製作費150万ドルで世界興行収入3000万ドルを記録したことを挙げ、巨額の製作費をかけなくても成功することは可能だと訴えた。なお、ボグダノビッチ監督の8年ぶりとなる最新作はオーウェン・ウィルソン、ジェニファー・アニストン共演の「She’s Funny That Way」で、バーブラ・ストライサンドとライアン・オニールが共演した「おかしなおかしな大追跡」(72)のようなスラップスティックなコメディだという。