樹木希林、河瀬直美最新作が「遺作になるのを望まれている」とジョーク
2014年12月11日 13:46

[映画.com ニュース]河瀬直美監督最新作「あん」の製作発表会見が12月11日、都内で行われ、河瀬監督と主演の樹木希林が出席した。長らく闘病生活を送りながらも、精力的に活動してきた樹木は、「河瀬さんが、(関係者が)『樹木さんの遺作として売りたいんじゃないか』とおっしゃっていた」と告白。今後については「遺作になるのを望まれているので、次のことは言い出せない」と冗談めかし、「死なないまでも、これでご無礼しますとなるかも。今の時代、畳の上で死ねるのは上出来な死だと思っていますので、いつどこで何があるかわからない。そんな風に気楽に考えています」と話した。
ドリアン助川氏の同名小説を実写映画化。刑務所から出所し、どら焼き屋「どら春」で働いていた千太郎のもとに、1人の老女・徳江(樹木)が雇い入れられる。徳江の作る粒あんがあまりにも美味しいと評判になったが、徳江がハンセン病を患っていたという噂が流れ、徳江は店から去ってしまう。
元ハンセン病患者という役作りのため、療養施設に赴いたという樹木。そんな樹木に、河瀬監督は「全身全霊をかけて現場に来ていただけていると私は感じた」といい、「撮影監督が、希林さんが自分のカメラに映って、本番最中に涙したのは初めてだと言っていました。私も涙が止まらず、コンタクトがとれて次のシーンが撮れませんでした」と最敬礼。樹木も河瀬監督のこだわりに驚かされたそうで、「役者になったら一度は河瀬さんのお仕事をやるといいんじゃないかとお世辞じゃなく思いました」と称賛した。
本作のキャッチコピーは「やり残したことは、ありませんか」。樹木は人生で「やり残したことは何もない。第一、期待がないから」だそうだが、「試写も見ないし、台本も全部終わると捨てる。そんな感じですが、この仕事を終えて1週間ばかりたった時に、やり残していたなと思いました」と振り返る。河瀬監督は「撮れている画のデータが昨日上がってきて、見返してみてやり残したことはないと思っています」と断言し、「希林さんの遺作かどうかはわかりませんが、スクリーンに永遠に樹木希林、徳江が刻まれていると思ってもらえる」と胸を張った。
「あん」は、現在フランスとドイツで編集作業中で、来年春の完成を目指す。全国公開は、2015年6月を予定している。
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