広末涼子、「はなちゃんのみそ汁」で母親の愛を「命懸けで演じる」
2014年12月4日 15:30
[映画.com ニュース] 女優・広末涼子主演の映画「はなちゃんのみそ汁」の製作発表が12月4日、都内で行われた。乳がんのため33歳で早逝した安武千恵さんの実話に基づく家族のドラマ。広末は「絶対に素敵な作品になる。命を懸けて精いっぱい演じます」と並々ならぬ決意を語った。
がん発症後に授かった愛娘・はなちゃんに1人でも生きていけるようにとみそ汁の作り方を教えた千恵さん。夫の安武信吾さんも含め家族共著によるノンフィクションは13万部を超えるベストセラーとなり、ドキュメンタリーや今年8月には日本テレビ「24時間テレビ」でドラマ化もされた。
広末は移動の飛行機内で脚本を読み、「本当に素晴らしくて、たくさん笑い泣きしました。声を出して笑いそうになるのに、涙が止まらなかった」という。その後に仕事が控えていたため、「これはメイクさんに怒られると思い、空港に着いて保冷剤を買って目を冷やしたくらいです。でも、悲しい、つらい、苦しい涙ではないと感じて、見てくださる方もそういう気持ちになってもらえれば」と思いをはせた。
この日初対面したはなちゃんからみそ汁を振る舞われ、「ホッとしますね。みそ汁に共通するあったかさをはなちゃんに感じて、勝手に抱きしめたくなっちゃった」と笑顔。はなちゃんは、「お母さんは、広末さんみたいに美人じゃないけれど、笑顔がとても似ているなって思いました」と話し、会場の笑いを誘った。
信吾さん役を演じる滝藤賢一は、「安武さんの人生を生きたいと強く思った。広末さんと素敵な家族をつくります」と意欲。信吾さんは、「自分の家族のすべてをさらけ出すのは勇気のいることだったけれど、悲しいだけの物語にはならない気がする。きっと天国の千恵も喜んでくれると思うし、生きた証(あかし)を残すこともできる」とエールを送った。
監督は、「ペコロスの母に会いに行く」の脚本を手がけた阿久根知昭氏が初メガホン。「日頃から安武さんと付き合い、毎日のように千恵さんの話をしているので会ったことはないがよく知っている。千恵さんは亡くなったのではなく、ずっとどこかにいるって思っていただきたい。撮影が楽しみです」と年明けのクランクインに向けて腕をぶしていた。
「はなちゃんのみそ汁」は、20代で乳がんを発症した千恵さんが自らの死期を悟り、はなちゃんに4歳の頃から料理を教え始め「食が体を、命をつくる」ことを伝えていく物語。はなちゃん役は1000人を超えるオーディションを行い、現在最終選考中。公開は2015年秋を予定している。