ももクロ、主演映画「幕が上がる」に手ごたえ十分 本広監督に全幅の信頼
2014年11月18日 06:00
9月下旬、5人の姿は静岡・函南の文化センターにあった。この日は、全国大会を目指すうえでの第一関門となる地区大会の模様を撮影。会場には富士ヶ丘高校演劇部員に扮した「ももクロ」、演劇部顧問・溝口役のムロツヨシ、元“学生演劇の女王”こと新任教師・吉岡役の黒木華に加え、エキストラとして参加する多くの現役高校生たちの姿が。2日でステージ上での演劇シーン、成績発表の瞬間を客席で固唾をのんで見守るシーンなどに挑んだ。
百田は、演劇部部長のさおりを演じるが「いま日本の映画監督といえば宮崎駿監督か本広監督! 出させていただけるだけですごいこと。一生懸命頑張ります!」とノリノリだ。ムードメーカー“がるる”に扮する高城は、「指1本の動きで感情を出したり、何気ない日常がお芝居につながることがたくさんあると教わっています」と充実した面持ち。看板女優ユッコ役の玉井は、「どんな感じになるのか? 見てみないとわからない(笑)」と不安をのぞかせながらも、笑みを浮かべた。
佐々木はさおりを慕う後輩の明美を演じるが、「みなさんは“コスプレ”ですが、私は現役(高校生)です!」とアピール。演劇強豪校からの転校生・中西役の有安は「今回はアイドルのイメージではなく、女優としてひとりひとりを見てほしいです」と“女優・ももくろ”に自信をのぞかせる。
自ら本作の映画化を企画し、原作の平田オリザ氏や「ももクロ」と交渉したという本広克行監督は「冷静に見て(ももクロは)素材として優れているし、(各メンバーと役柄の)キャラも合っている。奇跡の本です!」と手応えのほどをうかがわせる。この日も壇上のキャストの元へ駆け寄ると細かく演出。ワンカットごとに「あーりん、いいよ! いまみたいな感じ!」と声をかけ、それに応えようと試行錯誤しながら様々なバリエーションで演技を繰り出すメンバーたちの姿が見られた。
平田氏の処女小説を映画化するもので、「踊る大捜査線」シリーズの本広監督がメガホンをとり、「桐島、部活辞めるってよ」の喜安浩平が脚本を執筆。県立高校の弱小演劇部に所属する少女たちが、全国大会出場を目指すさまを描く青春ストーリーだ。撮影は10月8日にクランクアップしており、現在はポストプロダクション中だ。
「幕が上がる」は、2015年2月28日から全国で公開。なお、同じく「ももクロ」主演、本広監督の演出による舞台版「幕が上がる」も2015年5月に上演される。