ポル・ポト時代からの再生描く「遺されたフィルム」監督、「カンボジアの人たちを勇気づけたい」
2014年10月29日 23:15
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第27回東京国際映画祭アジアの未来部門に選出されたカンボジア映画「遺されたフィルム」が10月29日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで公式上映され、本作で監督デビューを飾ったソト・クォーリーカー、出演のマー・リネット、ディ・サーベットらがティーチインに出席した。
プノンペンの少女が、廃映画館で1970年代のカンボジア映画を発見する。そのフィルムはポル・ポトの支配前に作られたメロドラマで、若かりし日の少女の母親がヒロインを演じていた。少女は人々の手を借りながら母の主演作をリメイクすることを決め、残されたフィルムに隠された母国と家族の暗い歴史を知る。
クォーリーカー監督は、「カンボジアの人たちを勇気づけたい。そして世代を超えてつながり、過去と現在を理解することで過去を乗り越えていきましょう」と本作に込めた思いを明かす。カンボジアの映画事情を聞かれると、「映画製作は非常に活気づいています。カンボジア映画界のゴッドファーザー、リティー・パニュ監督の『消えた画 クメール・ルージュの真実』が世界的に多くの受賞をしていて、彼の存在がカンボジア映画の名を高めている」と胸を張り、さらに壇上で「カンボジア国際映画祭が初めて今年から開催されます。12月5日からですが、本作がオープニングフィルムとなることが決定しました」と発表した。
2012年の東京国際映画祭で上映された「怪奇ヘビ男」(1970)に出演したことでも知られるサーベットは「この映画は内戦によって、どのように人々が離れ離れにされたかが描かれています」と説明。1967年以来約47年ぶりの来日となったことに触れ、「私には日本に住んでいる姪がいますが、内戦のためにタイに逃げ、それから日本で暮らしています。今回、40年ぶりに再会することができました。戦争というものはすべてを破壊してしまいますが、それを取り戻せることを嬉しく思います」と感慨深げに目を細めた。
第27回東京国際映画祭は、10月31日まで六本木ヒルズと東京・TOHOシネマズ日本橋を中心に開催。
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