庵野秀明監督「式日」など実写3作品を自己分析し、さらなる特撮ものに意欲
2014年10月26日 11:50

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭の特集企画「庵野秀明の世界」で10月25日、監督した実写作品「式日」(2000)がTOHOシネマズ日本橋で上映された。庵野監督が上映後にトークショーを行い、これまで手掛けた実写3作品について大いに語った。
庵野監督は、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に」の製作が佳境を迎えた1998年に、初の実写映画「ラブ&ポップ」を企画。「僕の中で、アニメでできる表現をやりつくして限界を感じた。もう実写しかなかったんです」と振り返る。
「ラブ&ポップ」は、村上龍氏が援助交際をテーマにした小説を、民生のデジタルビデオを駆使して映像化。一転、「きれいな実写を1度やっておきたかった。地元はあまり好きじゃなかったけれど、久しぶりに帰った時、映像的に面白い街だと思った」と、故郷の山口・宇部を舞台に35ミリフィルムで撮影されたのが「式日」だ。
小説「逃避夢」の原作者である女優・藤谷文子を主演に据え、相手役には岩井俊二監督を抜てき。スタジオジブリの第2レーベル「スタジオカジノ」の第1回作品として製作され、「もうからないと分かっていたけれど、0.数%の人でいいから一生残るものにしたかった。僕の好きな風景はほとんど入っている」と話した。
そして、念願だった特撮ヒーロー(ヒロイン)ものとなる第3作が04年の「キューティーハニー」。酒席で友人の樋口真嗣監督のひと言が発端だったそうで、「実写とアニメのいいとこと取りをやりたかった」と説明。だが、想定していた予算が確保できなかったため「そこで脚本を書き直せば良かったんだけれど、3年間積み上げてきた時間と労力を考えてしまった。僕の能力不足。本当に申し訳ない。できれば、また特撮をやりたい」と“リベンジ”を誓っていた。
第27回東京国際映画祭は10月31日まで開催。
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