押井守監督、15年越しの超大作「GARM WARS」ワールドプレミアに感無量
2014年10月25日 20:30

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭の特別招待作品「GARM WARS The Last Druid」が10月25日、東京・TOHOシネマズ日本橋で上映され、メガホンをとる押井守監督、エグゼクティブプロデューサーを務める鵜之澤伸が舞台挨拶に立った。押井監督にとって初の英語作品であり、15年前に一度製作が頓挫したいわくつきの一作。「15年ぶりに完成しました。性格的に執念深いので、あきらめずにやってきて良かった」と完成を報告し、駆けつけたファンの拍手と歓声を浴びていた。
押井監督は当時、本作のためにデジタルエンジンというスタジオを立ち上げ、約70人のスタッフとともに3年間準備を進めていたが「もろもろの事情で中止になった。中止にしたのは、隣にいるこの男(笑)」と鵜之澤氏をチラリ。それだけに「同じ男によって、再び動き出したのは何かの因縁。とにかく今は幸せな気分なので、ぜひワールドプレミアを楽しんでもらえれば」と感無量の表情だった。
ケルト神話をベースに、CGと実写の技術を融合させたハイブリッドアニメーション映画。ガルムと呼ばれる部族間の戦いが激化するなか、群れからはぐれた3人のガルムが「ガルムの存在意義を探るため」聖地ドゥアル・グルンドを目指すというSFファンタジーに仕上がった。
見どころを聞かれた押井監督は、「よくわかんないですねえ」とおどけて見せ、「もともとアニメの方法論で実写を撮るという触れ込みだったけど、この15年の間で、それが映画界のスタンダードになってしまった。だから、アニメとは思っておりません。監督の頭に宿った妄想を、そのまま映像化したとしか言えない」と持論を展開。一方、鵜之澤氏は「そうは言っても、アニメの演出とレイアウトなので、あえてハイブリッドアニメーションと言わせてもらえれば。ここでケンカしてもしょうがないですけど」と丁々発止のやりとりを披露した。
本編には日本語字幕がついており、鵜之澤氏は「難解だと言われる押井作品に、字幕をつけるとこんなにスッキリ、理解しやすいんだとわかった。今後はすべての作品で、字幕をつけたほうがいい」。これに対し、押井監督は「字幕に気を取られ、映像を見逃さないでほしい。(字幕を)読まなくても、ちゃんとわかる映画になっている」と反論していた。
第27回東京国際映画祭は、六本木ヒルズをメイン会場として31日まで開催。
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