佐藤健×藤原竜也、初共演にして死闘繰り広げた「るろうに剣心」を語る
2014年9月14日 10:00

[映画.com ニュース] 伝説の人斬りと、仲間を愛する穏やかな流浪人――佐藤健が、2面性を持った剣客・緋村剣心として生きた「るろうに剣心」が、終わりを迎えようとしている。幕末の残り火が地獄の業火となり、新時代に牙を剥くシリーズ完結編「るろうに剣心 伝説の最期編」で、精根尽き果てるまでぶつかり合った佐藤、藤原竜也が思いを語る。(取材・文/編集部、写真/山川哲矢)
座長として個性豊かな俳優陣を率いた「るろうに剣心」(2012/大友啓史監督)に始まり、3年間剣心を演じた佐藤。人を殺めた過去に苦悩し、“不殺の誓い”を立てた剣心を「理想の人間像で、人生の師匠みたいな感じ。剣心みたいになりたいという人物なんです」。長い時間をともにすごした剣心を離れた今、「(撮影を終え)冷静に見ることができますが、やっぱり特別な時間でした。現場に入っていたときも、すごく幸せな経験をさせてもらっているという気持ちではありましたが、スイッチやアドレナリンが変だった(笑)。ちょっと普通じゃなかったですね」と振り返る。
そんな佐藤が満身創痍になりながら向かっていった相手は、剣心の後継者にして最強の宿敵・志々雄真実に扮した藤原だ。藤原は特注スーツをまとい、政府に裏切られ、生きながらにして焼かれた志々雄の狂気と野心に満ちたオーラを体現。剣心と同じ人斬りとしての過去から出発しながら、異なる信念を掲げる。「面白いキャラクターでしたね。苦悩を抱えながらのし上がってやるという思いで、同じような過去を持つ仲間とともに政府に挑んでいく。絶対悪ではない志々雄の憎めない部分は、共感できるものがありました」
本作で初共演を果たし、“影の人斬り”として激突した佐藤と藤原。ふたりが現場で顔を合わせたのは、藤原のクランクイン初日となった前編「るろうに剣心 京都大火編」の撮影だった。剣心と志々雄が出会う新月村の場面について、佐藤は「志々雄と対じして、言葉を交し合うシーンだったんですけれど、『これが志々雄か、そういうことか』とそこで見えたんですよね」と振り返る。
剣心と志々雄らが織り成すドラマに加え、血の通った圧倒的なアクションも見どころのひとつだ。佐藤を筆頭とした役者陣は、アクション監督・谷垣健治のもと練り上げられたアクションに挑戦。クライマックスは7時間を越える映像素材が撮影され、佐藤と藤原が「映画ができちゃうよね」と口をそろえるほどの濃厚なアクションとなったが、劇中では14分に凝縮されている。
シリーズを重ねるごとに激しくなるアクションをこなしてきた佐藤は、「実は14分のアクションシーンって長くて、普通はずっと見ていられないんですよ。でも、『るろ剣』は見ていられるアクションになっているからすごい。しかも、ほかのアクション映画では『今すごいことをしているぞ』とハイ・ロースピードで見せたり、同じことを何回も繰り返したりするところを、『るろ剣』はスッとやっている感じ。すごいことをすごいと見せない演出で、密度も含めて見たことがないものになっています」と手ごたえ十分の様子だ。
一方の藤原は、煉獄で剣心(佐藤)に加え、斎藤一(江口洋介)、四乃森蒼紫(伊勢谷友介)、相楽左之助(青木崇高)と豪傑4人を相手にする。「佐藤くん、伊勢谷くん、江口さん、青木くんでしょ。(撮影が始まったばかりで)先は長いし、こんな4人と戦うのはめんどくさいと思いました(笑)」と冗談めかしながらも、「隣で芝居している健くんなんか、この立ち回りのテンションを1年くらい持続しているからすごく素敵だと思ったし、『自分は不器用だ』と言いながら必死にアクション部についていく伊勢谷くんの姿勢を見ていると、感動的な部分もあって。大変なアクションだったけれど、みんな必死に乗り越えようとしていていい思い出です」
そして、佐藤は役者として、キャラクターとしてさまざまな思いを抱え、志々雄との一騎打ちへとなだれ込んでいく。戦いの舞台となる煉獄で、「日本映画ではありえない規模のセットを用意してもらえたので、思いっきりやらせてもらいました」と全身全霊でぶつかっていった。「僕はこの場面がすべてだと思っていたので、『京都大火編』も『伝説の最期編』もすべてが志々雄とのその戦いのためにあるという気持ちで挑んでいました。志々雄と出会ってから決着が着くまでの一連のシーンは、1週間くらいで撮りましたが、この1週間は25年間の人生のなかでも、本当に忘れられない1週間でした」。藤原も「もう、どうしようかっていう感じだったよね。全員で良いラスト、成立させられるカットを撮ろうという意識のなかで、必死にやらせてもらいました」と迎え撃ち、壮絶な絵が完成した。
「るろうに剣心 伝説の最期編」は、9月13日から全国で公開。
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