ハードボイルドな新作「ケープタウン」で見せるオーランド・ブルームの決意
2014年8月29日 17:40
[映画.com ニュース] もう“オーリー”などとは言わせない、というオーランド・ブルームの決意が伝わってくるような、ハードボイルドな新作「ケープタウン」が公開になる。南アフリカを舞台に、ふたりの刑事がある殺人事件を調べるうちに組織的な陰謀と直面する、バイオレントで緊張感あふれるサスペンスアクションだ。フォレスト・ウィテカーとコンビを組むブルームは、妻子に見放され、ドラッグとアルコール浸けになった刑事ブライアンに扮する。取材ではすっかりこざっぱりとしたルックスに戻っていたブルームだが、これほどダーティな役柄にひかれた理由を、熱のこもった口調で語ってくれた。(取材・文/佐藤久理子)
「この作品は僕にとってギフトのようだった。こういう役柄をもう5年ぐらい待っていたんだ。『ロード・オブ・ザ・リング』を撮り始めたとき僕は21歳で、そのあと『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズが続いた。こうしたシリーズでは観客が期待しているものがあって、それを全うしなければならない。でもその後僕はブロックバスターから抜け出して、もっと俳優として異なるスキルの必要とされる役を演じなければだめだと思った。それでようやくめぐり会ったのが本作というわけだ。一見レイ・ウィンストンあたりが似合いそうなタフなキャラクターなのに(笑)、監督は僕を信頼して役をくれた。だから役作りには全身全霊をかけたよ」
たしかに本作では、一瞥(いちべつ)しただけではブルームとわからないほどに彼は変貌を遂げている。鍛え抜いた筋肉質のボディ、その一方でストレスと不摂生が刻まれたような、疲れた横顔。準備には約1年の歳月をかけたという。「トレーニングはとてもハードだった。3カ月は厳しいダイエットに耐え、いつもただローストしただけのチキンなど同じ料理を食べ続けた。幸運にもアフリカのビーフジャーキーはとても美味しかったけれど(笑)」
南アで撮影したのは初めてというブルーム。実は13歳まで実父だと信じていた義父は南ア出身であり、それだけに思い入れも深かったと語る。
「僕が4歳のときに亡くなってからも、長いこと実父と思っていたから、その意味でも南アを訪れるのは感慨深かった。撮影はとてもパワフルな経験だったよ。僕自身は身の危険を感じるようなことはなかったけれど、あるとき僕の泊まっている場所の5軒先に強盗が入り、家主が刺された。あそこでは毎年約500人の警官が亡くなり、その半数以上が自殺だという。それだけタフってことさ。こういう情報が役を理解するのにとても役立った。観客がこの映画を見ながら、オーランド・ブルームを忘れてブライアンというキャラクターにひき込まれてくれたら本望だよ」
「ケープタウン」は、8月30日から新宿バルト9ほかで公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
TikTok TOHO Film Festival 2024 NEW
【今年の“斬新性No.1”は縦型映画】年に数100本映画を観る人が、“縦”で映画を観てみた
提供:TikTok Japan
BS12 年またぎ映画祭 NEW
【何を観たらいいかわからん人、全員集合】TVのリモコンでBS→12を押して!【年末年始は地球滅亡】
提供:BS12
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い!
大物マフィアが左遷され、独自に犯罪組織を設立…どうなる!? 年末年始にオススメ“大絶品”
提供:Paramount+
外道の歌
強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…地上波では絶対に流せない“猛毒の狂刺激作”【鑑賞は自己責任で】
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の超重要作
【伝説的一作】ファン大歓喜、大興奮、大満足――あれもこれも登場し、感動すら覚える極上体験!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
【衝撃】映画を500円で観る“裏ワザ”
【知らないと損】「2000円は高い」というあなただけに…“超安くなる裏ワザ”お伝えします
提供:KDDI
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。