アカデミー賞外国語映画賞受賞作「グレート・ビューティー」パオロ・ソレンティーノ監督に聞く
2014年8月23日 09:30
[映画.com ニュース]美しいローマの情景とともに、都会で生きる作家の虚無感を描いたパオロ・ソレンティーノ監督の最新作「グレート・ビューティー 追憶のローマ」(公開中)。イタリア映画として15年ぶりとなるアカデミー賞外国映画賞を獲得したソレンティーノ監督が作品を語った。
たった1作で巨万の富を得たローマ在住の初老の作家(トニ・セルビッロ)が、パーティーに明け暮れる退廃的な生活の中で、初恋の女性の死を知る。人生を見つめなおし、執筆活動を再開しようと決意する作家の姿と、朝、昼、夕闇とその表情を変えるローマの街並みを映し出す。
かねてローマの街を深く掘り下げる映画を作りたいと考えていた。「ローマはすばらしい都市だし、落ち着くが、しかし、同時に隠れた危険もあふれている。危険というのはどこにも通じていない知的冒険を意味する。当初は、限界のない大きな望みをいだいた企画だった。このすべてのローマの世界観を人生につなげる要素を見つけるまで、僕はこの企画を先延ばしにしてきたんだ」
その要素はパズルの最後のピースとも言えるジェップ・ガンバルデッラという役柄だった。「彼は映画のすべてのコンセプトを可能にし、わかりやすくした。このまぎれもなくすばらしい映画に命を吹き込む瞬間がきたと思ったんだ」と述懐し、「この映画の軸は、相互に絡み合った大量の事実、登場人物と逸話、ローマ周辺のすべての魅力的なものだ。それこそが、僕が映画にしたかったものだ」と主題について語る。
巨匠フェデリコ・フェリーニの「甘い生活」を彷彿させる本作、企画当初から意識していたのかと問いには「もちろん、『フェリーニのローマ』と『甘い生活』は僕が作りたいような映画に挑戦する時には無視できない作品だ。この2つは傑作だし、傑作は真似されるのではなく鑑賞されるべきだというのは黄金律だ。僕はそこにこだわろうとした。しかしまた傑作は僕たちの物事の感じ方や見方を変えるというのも事実だ。だから、僕はこれらの映画が僕自身に消えない刻印を押し、僕の映画を導いてくれたことを否定できない。僕はただ、それらが正しい方向に導いてくれたことを願うだけだよ」と説明した。
「グレート・ビューティー 追憶のローマ」は公開中。
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