コミカルな演技で新境地を開拓したアンジェリーナ・ジョリー
2014年7月4日 18:15

[映画.com ニュース]ウォルト・ディズニーの名作アニメ「眠れる森の美女」(1959)で、オーロラ姫に呪いをかけた邪悪な妖精マレフィセント。誰もが知る有名なこの物語で、彼女の生い立ちは謎のベールに包まれていた。そこに着目したのが、7月5日から公開される実写版「マレフィセント」だ。「自分の子どもたちを楽しませようと想像しながら演じた」という、主演アンジェリーナ・ジョリーに話を聞いた。(取材・文/本間綾香)
ジョリーはこれまで、数々の映画で自立した、意志の強い、闘う女性を演じてきた。今回のマレフィセントも、怒りを抱え復しゅう心を燃やす強いヒロインであり、まさにハマり役と言えるのだが、新鮮なのはジョリーのコミカルな表情。今までスクリーンの中のジョリーに驚嘆したり、見惚れることはあったが、笑ってしまったのは初めてかもしれない。
「マレフィセントにユーモアを感じてくれたのなら、とてもうれしいわ。演技をする上で、コミカルな自分というものにあまり自信がなくて、彼女の面白さがうまく観客に伝わっているか不安だったから。でも、自宅では子どもたちの前でいつも変な顔をしたり、変な声を出したりして、おどけて見せることに慣れているの。だから、自分のそういった面を意識しながら演じたのよ。自分を解放して、軽快な気分を表現するのは、とても気持ちがよかったわ」
幼い頃から、マレフィセントが大好きだったというジョリー。この映画の企画が持ち上がっていると耳にして、絶対にこの役を演じたいと願っていたそうだ。大人になり、母親になり、改めてマレフィセントというキャラクターを掘り下げると、人間の複雑さ、多面性に気づかされるという。
「赤ん坊に呪いをかけるなんてところは、昔から決して好きにはなれなかったわ。ただ、マレフィセントのパワー、優雅な雰囲気に魅了されていたの。とにかく、彼女は生き生きして見えた。大人になって彼女を眺めると、人間とはさまざまな側面、可能性があるものだと感じるわ。私たちはプリンセスであり、魔女であり、楽しい部分も邪悪な部分もある。完全に1つのタイプには分けられないのよ。母親だって攻撃的になったり、防衛本能が強くなったり、面白いところを見せたり、いろんな面があるでしょ。私がこれまで演じてきたキャラクターのなかでも、マレフィセントはそういった要素すべてを兼ね備えている人よ。まあ、彼女は人間ではなく妖精だけど(笑)。そんな女性を演じることができてとても幸せよ」

映画では、オーロラ姫の幼少期をジョリーの実娘ヴィヴィアンが演じている。また、養子のザハラとパックスもカメオ出演しており、子どもたちにとっても「マレフィセント」は大のお気に入り映画になったそうだ。そして、もう1つ子どもたちの大好きな映画が、ジョリーとブラッド・ピットが出会うきっかけとなった初共演作「Mr.&Mrs.スミス」。
「子どもたちも大きくなってきたから、ようやく見ることを許可したの。すごく衝撃的な体験だったみたいよ(笑)。何しろ自分の父親と母親が、お互いを殺そうとしているんだから。そんなのめったに見られないでしょう? 結末はハッピーエンドだけれど、両親がニセの拳銃を持ってリビングで格闘しているなんて、子どもたちには想像もつかないわよね」
母・女優・監督・プロデューサー・国連親善大使と、いくつもの顔を持つジョリーは、マレフィセントと同様に1つのカテゴリーには括れない女性だ。そして、どの立場においても世界中の人々に大きな影響を与えている。マレフィセントのように魔法の力を使って、今あるモノの形、姿を変えることができたら、どう使いたいか尋ねると、ジョリーらしい答えが返ってきた。
「今回の映画には、人間はお互いを思いやるため、忍耐が必要だというメッセージが込められているの。現実の世界には、あまりにも戦争や暴力があふれている。難民の数は第2次世界大戦のときより増えていて、5100万人もいるのよ。もし私たちが他者への態度、他者に対する見方を変えることができたら、この状況は好転するし、変えなければならないと思うわ」
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