東映Vシネマ25周年、伝説的タイトルをDVDリリース 哀川翔、竹内力の初期傑作も
2014年7月3日 07:10

[映画.com ニュース] 東映ビデオが1989年に「Vシネマ」を生みだしてから25周年を記念し、全250タイトルから厳選された25タイトルを「東映Vシネ伝説(レジェンド)」と銘打ち、特別価格(2500円+税)でDVDリリースすることが決まった。「Vシネマの帝王」の異名を持つ哀川翔と竹内力の初期傑作群からセレクトされた作品や、高橋伴明、長谷部安春、石井輝男らベテラン監督の作品、清水崇らその後活躍する監督の初期衝動に満ちあふれた記念碑的作品まで、バラエティに富んだラインナップになっている。
東映Vシネマは、89年に東映ビデオが「レンタルビデオ店でしか見られない映画を」というコンセプトで立ち上げた独自レーベル。第1作となる「クライムハンター・怒りの銃弾」を発売して以降、劇場公開用映画とは一線を画した、レンタル店ユーザーの望むジャンルを中心に、意欲的に作品を発表し続けた。
これがブームの火付け役となり、にっかつの「Vフィーチャー」レーベルをはじめ、「Vシアター」「Vムーブィ」「Vピクチャー」など、90年代初頭に30社超のレーベルがビデオ映画市場に参入。「Vシネマ」は東映ビデオの登録商標であり、厳密には他社作品へその呼び名を使用することはできないが、それまで「Vオリジナル」や「ビデオムービー」とも呼ばれていたビデオ映画は、レンタルユーザーの間では一般に「Vシネマ」の呼び名で浸透していった。
Vシネマには、当時主流だったVHSテープで発表された作品も多いことから、現在は見ることが困難なものも数多い。そんな中、「東映Vシネ伝説(レジェンド)」では、初DVD化作品も含む25作品を、記念価格で2カ月連続リリースする。
10月11日にリリースされる第1弾タイトルは、エロスを武器に立ち向かう美しき女たちを描いた「XX ダブルエックス 美しき凶器」(94)、「XX ダブルエックス 美しき狩人(ハンター)」(94)、「XX ダブルエックス 美しき標的(ターゲット)」(95)、後に清水崇監督が自ら劇場用映画としてリメイクし、さらに海を渡ったハリウッドでもリメイクされるJホラーの金字塔「呪怨」(2000)、「呪怨2」(00)、哀川翔の記念すべき主演第1作目「ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ~」(90)、東映Vシネマ第1弾作品「クライムハンター・怒りの銃弾」(89)、スクリーンから消えかかっていた任侠道や極道の生きざまを描いた「組織暴力 流血の抗争」(99)、「新極道伝説 三匹の竜」(99)、「平成残侠伝 ぶった斬れ!」(96)、「侠道(おとこみち)」(00)、石井輝男監督が描くエロス&バイオレンス「ザ・ヒットマン 血はバラの匂い」(91)、東映Vシネマ初のSFバイオレンス大作「女バトルコップ」(90)の13作品となっている(11月リリースの第2弾タイトルは近日発表)。
関連して、VHSの革命的な出来事を関係者の証言をもとにまとめたドキュメンタリー映画「VHSテープを巻き戻せ!」が渋谷アップリンクで7月26日に公開となるが、同作にはVシネマの仕掛け人である東映ビデオのプロデューサーも出演しており、関連作品の上映も予定されている。ラピュタ阿佐ヶ谷でも今秋、東映Vシネマの特集上映が企画されている。
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