英語コンプレックスを克服し輝く主婦描く「マダム・イン・ニューヨーク」監督に聞く
2014年6月27日 14:00
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[映画.com ニュース] インドの国民的女優シュリデビの銀幕復帰作で、主人公の主婦が英語コンプレックスを克服し、新たな一歩を踏み出す姿を描いた「マダム・イン・ニューヨーク」が6月28日公開する。主にニューヨークロケで撮影されたスタイリッシュな映像と、主人公の心の機微を丁寧にすくい取った新感覚のインド映画だ。来日した新鋭女性監督ガウリ・シンデーに話を聞いた。
家族に尽くすことが幸せだと考えていた主婦シャシは、英語が話せないことをバカにされ、家族に秘密で英会話学校に通い始める。そこで新たな世界を見つけ、女性としての誇りと自信を取り戻す姿を描いた本作、とりわけ外国語でのコミュニケーションが不得意な日本人は、女性でなくとも共感できるテーマだろう。
長編デビュー作でありながら大ヒットを記録し、最も成功したボリウッド映画監督のベスト5に選出された。「女性はもちろん、男性からも多くの感謝の言葉をたくさんいただきました。この映画が誰かの人生を変えたということはないでしょうが、少なくとも観客が何かを考えてくれたということはとてもうれしいこと」と成功の喜びを口にする。
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ニューヨークで映像製作を学び、好きな映画監督はウッディ・アレン監督。そんな影響もあってか、歌や踊りが満載のインド映画とは一味違う都会的なテイストに仕上がった。「この作品は典型的なインド映画ではありませんが、インドの観客の目が育ってきて、映画として楽しめるのであればいろんなタイプの作品も受け入れられるようになってきたのです。15年前でしたら、メインストリームの作品ではないといわれたでしょうが、また一方ではこのようなユニークな作品もたくさんつくられていたんですよ」と語る。
主人公シャシのモデルは監督の母親だという。幼い頃、手作りのピクルスを売っていた母親が、英語が話せないことに困惑したことが本作のアイデアにつながった。「母親はこの作品を見るまで、自分がモデルだと知らなかったのです。涙を流して、しばらく言葉が出てこなかったようです。数日後に電話がかかってきて『自慢の娘よ』と言ってくれました」と明かし、ラストシーンのシャシのスピーチにこめられた思いを説明する。「お母さんだけでなく、世の中のいろんな人からいろんな気持ちをもらってここにいるということを伝えたかったのです」
黒澤明監督の作品も良く見るそうで「日本とインドお互いの映画を見てより交流が進めばいいですね」とにっこり。そして最後に「この映画にはどこかで、見たことのある、知っているような人が出てくると思います。その中には他人だけではなく、自分自身を見つけるかもしれません」と日本の観客にメッセージを寄せた。
「マダム・イン・ニューヨーク」は6月28日からシネスイッチ銀座ほか全国で公開。
(C)Eros International Ltd
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