スパイ映画さながら!? マンデラ氏の側近が明かす驚きの自伝執筆エピソード
2014年5月16日 20:35
[映画.com ニュース] 南アフリカの人種隔離政策アパルトヘイトの撤廃に尽力し、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ氏の壮絶な半生を映画化した「マンデラ 自由への長い道」の日本公開を前に、原作となったマンデラ氏の自伝執筆にスパイ映画さながらのプロセスがあったことを、同氏とともに投獄されていたアーメッド・カトラダ氏が明らかにした。
カトラダ氏は、「マディバ(マンデラ氏の愛称)が60歳になったとき、つまり私たちが刑務所で10年目を迎えたとき、今こそ政治声明を出す時期ではないかと考え、そのためには、彼に自伝を書いてもらうことが一番だと判断したのです」ときっかけを振り返る。「このことは、直接関わった私たち以外は誰も知りませんでした。秘密裏に進めたのです。最初にマディバが自身で原稿を書き、仲間に意見を求めたのち、それを含めた最終稿をマディバが執筆するというプロセス。その600ページにおよぶ原稿は、協力者によって、極めて小さな文字で清書されていました」という執筆の過程は、監視の目をかいくぐった、何年間にもおよぶスパイ映画のような地道な作業だった。
そして、その原稿は、収容所のあるロベン島から密かに持ち出されたが、マンデラ氏の激動の人生はそう簡単に書籍化できるものではなく、多くのリサーチが必要だったという。
カトラダ氏は、「実はマディバがロベン島で書いた原稿は、書籍化されたものほど内容の濃いものではありませんでした。あの本は事実確認の多くのリサーチ、客観的事実などの情報を重ねて、内容の精度を高めてから出版したものです。もちろん、マディバの原稿がなければ成立しないものです」と、出版までの苦労を明かす。結局、原書が刊行されたのは1994年、マンデラ氏が南アフリカ大統領に就任して半年が過ぎたころ、実に16年もの歳月が流れていた。
映画「マンデラ 自由への長い道」のプロデューサー、アナント・シンは、マンデラ氏が獄中生活を送っている時期から同氏の半生の映画化を相談しており、映画の原作として自伝の完成を待ったという。そして、マンデラ氏本人に出版前の原稿を見せられて映画化を託されるが、映画の完成にはさらに16年間を費やすことになる。
脚本を担当したウィリアム・ニコルソン(「レ・ミゼラブル」「グラディエーター」)は、自伝を基に、「妻のウィニーの視点やデクラーク元大統領(マンデラ氏の大統領就任直前の大統領)の視点なども交えてあります。原作以外に膨大にある彼らの視点から描かれたものから情報を得て、彼らの気持ちも反映しています」と、映画化に際してさらに物語に磨きをかけたことを明かす。自伝執筆からのべ32年間をかけて、壮大なヒューマンドラマが誕生した。
「マンデラ 自由への長い道」は、5月24日から全国公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
【本作は観るべきか、否か?】独自調査で判明、新「アベンジャーズ」と関係するかもしれない6の事件
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか…!? 不適切報道では…?衝撃実話
提供:東和ピクチャーズ
ザ・ルーム・ネクスト・ドア
【私が“死ぬとき”を、見届けて】あなたならどうする――? 魂に効く珠玉の衝撃作
提供:ワーナー・ブラザース映画
君の忘れ方
【結婚間近の恋人が、事故で死んだ】大切な人を失った悲しみと、どう向き合えばいいのか?
提供:ラビットハウス
海の沈黙
【命を燃やす“狂気めいた演技”に、言葉を失う】鬼気迫る、直視できない壮絶さに、我を忘れる
提供:JCOM株式会社
サンセット・サンライズ
【面白さハンパねえ!】菅田将暉×岸善幸監督×宮藤官九郎! 抱腹絶倒、空腹爆裂の激推し作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【開始20分で“涙腺決壊”】脳がバグる映像美、極限の臨場感にド肝を抜かれた
提供:ディズニー