柳楽優弥、三島由紀夫原作の舞台「金閣寺」に意欲新た「僕の代表作にする」
2014年4月5日 09:45
[映画.com ニュース] 三島由紀夫の不朽の名作を演出家・宮本亜門が舞台化した「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」の初日開幕直前会見とフォトコールが4月4日、東京・赤坂ACTシアターで行われ、宮本をはじめ主演の柳楽優弥、共演の水橋研ニ、水田航生、市川由衣が出席した。
2011年に宮本がKAAT神奈川芸術劇場のこけら落し公演として創作した舞台を、キャストを一新して再演。生まれつきの吃音から周囲とうまくコミュニケーションがとれない孤独な主人公・溝口(柳楽)、下肢に障害を抱えながら不敵に溝口を挑発する柏木(水橋)、溝口の心の支えである同朋・鶴川(水田)の姿を通じ、若者が抱える苦悩や閉塞感を描く。
米ニューヨークのリンカーンセンター・フェスティバル2011でも絶賛され、全米批評家の注目を浴びた本作。宮本は、「およそ3時間あった前作を2時間半にした。前のバージョンとは違うし、ただカットしたのではなくエネルギーを凝縮。新しいキャストを迎えて怒とうの稽古を行った」とさらに磨きをかけた。
「海辺のカフカ」以来2度目の舞台挑戦となる柳楽は、京都の寺に入山し、徹底的な役作りを行った。「一緒に入山した人が本当に鶴川みたいだった。座禅も組んだりしたけれど、その人に会えたことが一番うれしく、その気持ちを水田君演じる鶴川に重ねることができた」といい、「稽古に入る前は吃音症を意識したけれど、それよりも溝口の感情を大事にしなければいけないと強く感じた」と内面から役に近づいた。頭髪も刈り上げ、妻の豊田エリーからは「『芝生みたい』と言われた。坊主にするとすごく楽なのでずっと坊主にしたいくらいだけど、『他の役できなくなるでしょ?』と言われた」と照れながら頭をかいていた。
数少ない女性出演者の市川も、「女性が出てくるシーンは短いけれど、ひとりひとりの生きざまや弱さをきちんと見せたい。亜門さんからたくさんのヒントをもらい、私なりにたくさん想像して、溝口の心に残る女性像を作ろうと思った」と力強く語った。
宮本は、「舞台がプロパガンダになると危険」と意識した上で、「『金閣寺』は戦前、戦中、戦後と日本の社会の転換期を描いた作品。時代と呼応する作品なので、今の時代だからこそ感じられるものがある。初演は東日本震災前だったけれど、震災後の今では意味合いも大きく変わってくる。今の時代を考えたい人、これからの日本を考えたい人に見てほしい。きっとそれは三島由紀夫もねらったこと」と熱を込めた。柳楽も、「亜門さんはすごく厳しい人」と過酷な稽古を振り返りながら、「僕の代表作にするという強い気持ちで明日から挑みたい」と意欲を新たにした。
「金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-」は4月5~19日、同シアターで公演される。
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