天願大介監督、20年ぶりの自主映画「魔王」に込めた“第二の選択”
2014年3月18日 05:00

[映画.com ニュース] 「世界で一番美しい夜」「デンデラ」で知られる天願大介監督の20年ぶりとなるインディペンデント映画「魔王」が、3月22日から東京・渋谷のアップリンクファクトリーで公開される。父・今村昌平監督作をはじめ、三池崇史監督作「インプリント ぼっけえ、きょうてえ」「十三人の刺客」の脚本などを多数手がけてきたことでも知られる天願監督が、なぜ今、自主映画に立ち戻ったのか。天願監督に話を聞いた。
謎の男“魔王”が現れたことをきっかけに、ある町に奇怪な出来事が起こり始める。その町に流れ着いた謎の美女・嘉子だけが魔王の正体を知っており、やがて女の驚くべき過去が明かされていくことで、2人の壮絶な決戦が幕を開ける。あらすじからは想像が難しい本作だが、天願監督いわく「震災で日本の綻(ほころ)びは露呈した。なのに、すべて元に戻ると嘘を言い続け、皆それを信じたがっている。羅針盤はもうどこにもない。今回は方角をめぐる闘いを通じ、不条理な世界に浮かび上がる、まったく新しい悪の形を描きたかった」という。
劇団「天井桟敷」出身で、寺山修司監督作「草迷宮」や石井聰亙(現・石井岳龍)監督作「エンジェルダスト」などで知られる若松武史が、主人公・魔王を怪演する。元宝塚歌劇団で演劇ユニット「metro」主宰の月船さららが、魔王と互角に張り合う正体不明の女・嘉子役に扮するほか、「カケラ」「愛の渦」などで存在感を示してきた若手実力派・中村映里子らが脇を固める。
天願監督にとって、本作は「デンデラ」(2011)以来3年ぶりとなる監督作。「ここ数年、映画を取り巻く環境は激変し、映画の位置は変わってしまった。悩んだ末にたどり着いた結論が自主映画だった。誰にも頼まれていないのに勝手に映画を撮る。それが俺にとっての『第二の選択』だ」と製作経緯を語る。
メジャー映画とインディーズ映画の二極化が進む昨今、天願監督は「すべて自費で作り、自分たちで上映する。馬鹿である。貧乏である。大変である。しかし希望はある。目指すは沼泥に棲息するなまずのように、しぶとく凶暴で悪食で髭の生えている感じの映画だ。我々はここに『なまず映画、あるいは第二の選択』を(勝手に)旗揚げいたします」と声明した。
「魔王」は公開形態も通常の映画興行とは異なる。アップリンクファクトリーを皮切りに、神奈川・川崎市アートセンター、東京・新宿ゴールデン街劇場、新宿の居酒屋「としちゃん」まで、さまざまな場所での上映が決定している。詳細は公式サイト(http://namazueiga.com)へ。
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