ルーブル美術館での撮影は邦画初! 映画版「万能鑑定士Q」クランクアップ
2013年12月13日 16:10
[映画.com ニュース] 綾瀬はるかと松坂桃李の共演で、松岡圭祐氏の人気ミステリー小説「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズを映画化する「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」が、日本映画史上初めて仏ルーブル美術館でのロケを敢行した。11月29日、同館の象徴であるピラミッドの前でオールアップの瞬間を迎え、綾瀬は「イェーイ!」と飛び跳ね、松坂とハイタッチ。佐藤信介監督と抱き合うなど、クランクアップの喜びを分かち合った。
11月26日から、凱旋門やオペラ座前、ポン・デ・ザール(芸術橋)、ポンヌフ橋、オテル・ド・ローザン(ローザン館)とパリ市内で大規模なロケを行い、最後の撮影場所となったのがルーブル美術館。本作の題材となる「モナ・リザ」が所蔵されていることで有名だが、映画の撮影許可が下りるのは異例で、2006年の世界的ヒット作「ダ・ヴィンチ・コード」以来の本格的な映画撮影が実現した。
撮影できるのは閉館後のため、午後6時に入館し、夜通しの作業となった。立ち入りエリアは制限され、トイレへ行く際も係員が誘導するという徹底ぶり。そんななか、綾瀬が自ら交渉し、通常の拝観位置よりも近くで「モナ・リザ」を見ることができたそうだ。
驚異的な鑑定眼と論理的思考を駆使し、難事件を解決する主人公・凜田莉子を演じた綾瀬は、「本物の『モナ・リザ』は少しトーンが落ちているように見えました。飾られている場所は別格で、やはり特別な絵なんだと感じられました」と話す。一方、莉子とともに事件の謎を追う、入社5年目の雑誌編集者・小笠原を演じた松坂も「表情がシュッとしてシャープな感じがしました」と、歴史的な名画に感銘を受けたようだ。
10月中旬から関東近郊や新潟、東宝スタジオで行われてきた撮影も、この日が最後。美術館内では展示物への影響を避けるために照明や音響といった技術面での苦労があり、館外でもゲートが開かないといったハプニングが起こったが、それらを乗り越え華々しいクランクアップを迎えた。松坂は、初共演となった綾瀬の印象を「透明感がありすぎて、どこにいるのか分からないくらい(笑)。非常にしなやかな方だと思います」と語った。当の綾瀬は、「パリでクランクアップしたことやルーブル美術館で撮影が出来て、とても貴重な時間を過ごせました」と振り返った。
シリーズ最高傑作といわれる、原作ファンが選ぶ人気ランキング1位の「万能鑑定士Qの事件簿IX」を題材に、ルーブル美術館の臨時学芸員に選ばれた莉子と彼女を取材する小笠原が、歴史的傑作絵画「モナ・リザ」に隠された謎や真贋に迫る姿を描く。2014年5月31日から全国で公開。