「ドコニモイケナイ」島田隆一監督&「流れ犬パアト」アミル・トゥーデルスタ監督、ドキュメンタリー映画の今を語る
2013年10月24日 14:45

[映画.com ニュース] 第53回日本映画監督協会新人賞を受賞した新鋭・島田隆一監督のドキュメンタリー映画「ドコニモイケナイ」が10月23日、東京・六本木ヒルズで開催中の第26回東京国際映画祭で特別上映され、島田監督とアジアの未来部門出品作「流れ犬パアト」のアミル・トゥーデルスタ監督が、若手監督同士で映画の未来を語るシンポジウムに出席した。
2001年の渋谷の街頭で、歌手を目指して佐賀から上京したものの統合失調症に苦悩する女性に出会った島田監督は、それから9年後の11年、10年前の自分との決着をつけるために再び彼女に会うことを決める。
島田監督と同世代のトゥーデルスタ監督は、本作を見て「少し泣きそうになった。渋谷にはまだ行ったことがないけれど、あのスクランブル交差点は色々な映画に出てくるので知っていた。とても良い映画で、伝わってくるものがあった」と感銘を受けていた。「流れ犬パアト」を見た島田監督も、「イランの現状を犬の目線で描いていくというのが面白かった。町を丹念に描いているし、人に感情移入する前に犬に感情移入できる映画を久しぶりに見た」と絶賛し、「非常に生きにくい人たちを主題にしているところは『ドコニモイケナイ』のテーマに似ていた。イランのあの町がどこなのか僕には分からないけれど、非常に近しい思いを抱いた」と親近感を覚えていた。
麻薬売買を題材としたドキュメンタリー映画からキャリアをスタートさせたトゥーデルスタ監督は、「ドキュメンタリーは社会の幕を少し開けて、その奥を見せてくれるもの。島田監督の作品には日当たりもあれば影もあって、とても人間的な目線で社会を見せてくれた」と賛辞をおくった。そして、孤独を募らせ空回りする主人公の痛々しい姿に「孤独というのはグローバルなテーマ。アメリカでもヨーロッパでもイランでも、孤独な人々はたくさんいる。それはテクノロジーが発達すればするほど孤独を感じてしまう、産業世界の問題なのかもしれない。今はインターネットやFacebookの登場で友情関係が表層的になり、人の視線が浅くなっている」と考察。すると島田監督も、「ドイツの映画祭に行った時も全く同じ感想が出た。僕も同じ意見」と同意していた。
10年という歳月をかけて本作を完成させた島田監督は、「若者たちの生きづらさを描きたいと思っていた。10年というタイムラグがある中、彼女の苦しみが観客に伝わるのか心配だった。それがこういう広がりをもち、作品が僕の思惑を超えてくれたのだと思う」としみじみ語った。
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