17歳の少年と年上女性の交流を繊細に描く「エンプティ・アワーズ」メキシコ映画界の新鋭監督と主演俳優が来日
2013年10月18日 22:00
[映画.com ニュース] 東京・六本木ヒルズで開催中の第26回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「エンプティ・アワーズ」の記者会見が10月18日開催され、アーロン・フェルナンデス監督と主演のクリスティアン・フェルレルが出席した。
フェルナンデス監督、フェルレルともに今回が初来日だそうで、監督は「東京で私の映画を見ていただくことができてとても満足しています。私にとって2本目の作品で、シンプルでありながらも繊細でデリケートな部分が多分にあります。それが日本の皆様にどう映るかわかっていただけるのではないか」と作品の特色を紹介した。
映画はメキシコ湾岸の港町ベラクルスを舞台に、街道沿いのモーテルの管理を任された17歳の少年とそのモーテルで恋人を待つ女性の交流を繊細なタッチで描く。
少年が年上の女性に恋心を抱くというテーマでこれまで多くの作品がつくられているが、監督は「世界中の映画でほとんどの物語は語られていると思います。私がやりたかったのは、シンプルなストーリーの中で映画的な空間と時間を構築すること」と説明。そして、「私は自分の映画をどんなコンセプトで作っているかと説明する時に、印象派の絵画を例に出して、小さな点や形を重ねていって、最後に大きな絵になって閉じる、そういうものが自分の映画だと考えています」と語った。
フェルレル演じるセバスティアンがひかれる、年上の女性ミランダ役の女優アドゥリアナ・パスのキャスティングと魅力について問われた監督は「メイクアップではなく、自然な美しさを持つメキシコ的な女性という点で彼女を選びました」。フェルレルは「僕にとっては大女優。ベッドシーンの経験もほとんどなかったので、彼女に教えてもらいました。とてもすばらしい経験になりました」と振り返り、「この映画の感受性が一番の魅力。退屈なことを描くのに、退屈な映画にする必要はないと思います。その時間が大変魅力的に映っていると思います」とアピールした。
東京国際映画祭は10月25日まで開催。