松本潤が語る、5年ぶり映画主演作「陽だまりの彼女」
2013年10月10日 19:02
[映画.com ニュース] 人気グループ「嵐」の松本潤が約5年ぶりに主演した映画「陽だまりの彼女」(三木孝浩監督)が、10月12日に公開される。神奈川・湘南を中心にオールロケで行われた撮影、自身が演じた浩介という役どころ、ヒロインを演じた上野樹里についてなど、爽やかな雰囲気そのままに気持ちのこもった言葉で語り尽くした。
越谷オサム氏のベストセラー恋愛小説が原作で、「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」というキャッチコピーが話題を呼んだこともあり、既に累計発行部数100万部を突破している。10年ぶりに再会した浩介(松本)と中学時代の幼なじみ・真緒(上野)の恋愛模様とともに、真緒が抱える“不思議な秘密”をファンタジックに描いている。
松本にとっては、「花より男子ファイナル」(2008)以来となる映画出演。完成した作品を鑑賞し、「本当にいい作品に参加させてもらったなと思います。自分が出ている作品だといろいろなことが気になって、面白いとは思っても、たくさんの人に見てもらえるかなあ……とか考えることもあるんです。でも、(今回は)自分が出ているけれど純粋な気持ちで楽しめたし、見終わった後に温かい気持ちになる、そんな作品でした」と感想を語る。
これまで演じてきた濃いキャラクターとは真逆に位置する役どころについては、「浩介の持つ優しさとか温かさのようなものを普段から撮影現場で心がけていました。浩介は、ゆったりとしっとりと表現するというか、そういうのを意識していたかもしれないですね」と述懐。メガホンをとった三木監督は、“松本潤史上いちばん鈍くさい松本潤がこの映画にいる”と言っていたという。
「そうかもしれないですね(笑)。ほんと、楽しかったですよ。最初に脚本を読ませてもらったときに、自分が今まで演じてきたキャラクターとは違うものを表現できると思ったので、浩介みたいな、気弱な部分があるけれどしっかりした気持ちも持っている男の子の役で、僕を選んでくれたのは嬉しかったです」
オールロケとあって、ヒロインの上野とはいろいろな場所で撮影を行ったそうで「水族館に行ったり、公園に行ったり、江ノ島に行ったり、電車にも乗ったし、ホームでも撮影させてもらった……。いろんなとこに行きましたね」と振り返る。だからこそ「すごくリアリティがあるし、ファンタジーの要素はあるけれど、そのファンタジーがウソに見えないリアルさが描かれていた。それが画にも映っている。すごくいいストーリーですよね。しかも誰も傷つけない、温かくなれるストーリー」になったという自負がうかがえる。
松本に劇中でグッときたシーンを問うと、「上野さんの演じている真緒のシーンに関しては、自分(浩介)が出ていないシーンもあるので、こういうシーンになっていたんだとか、真緒のこの表情がせつないとか、このセリフいいな、というのはありますね」と明かす。特に、「『けど今はね……まだ痛いのが嬉しいの』というセリフ。あれは強烈でしたね。そのときの真緒の表情がすごく印象的でした。ああ、いいお芝居だったなと」と振り返った。
また、浩介を演じ切ったことで純粋な気持ちがどれくらい増したか聞いてみた。「僕の場合は、もともと純粋な気持ちが大きいので(笑)、以前と比べて5%くらいですかね(笑)。でも、誰かと一緒に過ごす時間の素晴らしさ、それは男女だけでなく、友だちだったり家族だったりも含まれると思うんですけど、人と関わっていることの温かさ、大切さをすごく感じられる作品です」。
今作を、世代を問わず多くの人に見てもらいたいと願っている様子が痛切に伝わってくる。「これから恋愛をするような10代の方たちも、いま恋愛している方たちも、ドキドキしている気持ちを重ねながら見られる。自分もこういう恋愛できたらいいなと思ってもらえるような作品だと思うし、経験を重ねた方にとっては(自分の恋愛を)懐かしく思いながら、やっぱり人を愛するっていいことだなって思ってもらえると思います」。