常盤貴子、リアルなアラフォー独身女性役は「痛いセリフがいっぱい」
2013年9月20日 16:00
北川が自らの出身地・岐阜の美しい風景を舞台に書き上げた大人の恋の物語。遠く離れて暮らす男女が、絵本をめぐるネットオークションで知り合ったことをきっかけに、対面することもないまま徐々に心を通わせていく姿を繊細なタッチで描き出す。ベテラン女優の八千草薫、根岸季衣、高橋由美子らが脇を固める。
「愛していると言ってくれ」や「ビューティフルライフ~ふたりでいた日々~」など、これまでにも北川と数多くのタッグを組んできた常磐。故郷で祖母と母と暮らすアラフォー独身女性・静流(しずる)役を演じ、「地方都市ならではのしがらみの中で淡々と日々を過ごしている女性で、とてもリアルなキャラクター。台本を読んでワクワクした。さすが北川先生」と全幅の信頼を寄せた。また、「アラフォー女子にとって痛いセリフがいっぱい。私も『年ばっかとってやんなっちゃう』ってしょっちゅう言っている。実は下を向いて歩いている方が楽だったりするけど、そこで恋をして半歩くらい踏み出してみる気持ちもよくわかる」と等身大の役柄に共感しきりだった。
東京に暮らす商社マン・航に扮した谷原も、「40歳くらいになると人生の大きな転機を迎える。ドラマの中の航も自分の存在する地平が揺らいでしまった。僕自身も41歳になり、本厄なのでお祓いには行ったけど、もう人生の折り返し地点を過ぎたなと感じている。これからは自分よりも、家族や自分の周りの人にもっと意識がいくようになると思う」と自身と重ね合わせていた。
北川は、「出身地が岐阜なので心ひかれる部分があった。大人の恋愛をドラマで書いたのは初めて。大人になると若い頃とは違った人と人との関わり方があって、離れていても言葉の力や思いの力がある。それをゆっくり丁寧に描きたかった」。また、「地方でアラフォーの未婚の女性に取材をしたら、東京のアラフォーに比べて都会じゃない分、きゅう屈さを感じていることも分かったけれど、自分なりの生き方を見つけている感じもした。常磐さんはかわいいので、なるべくもさく田舎者に見えるように演じてもらった」とねらいを明かした。
「月に祈るピエロ」はTBS系全国28局ネットで、10月5日午後2時から放送開始。