「風立ちぬ」ベネチアでレッドカーペット&公式上映 現地マスコミも高評価
2013年9月3日 18:00
[映画.com ニュース] 開催中の第70回ベネチア国際映画祭で日本作品として唯一コンペティション部門に出品されている宮崎駿監督作「風立ちぬ」のレッドカーペットアライバルと公式上映が、9月1日(現地時間)夜に行われた。宮崎監督の引退が発表され反響を呼んだ同日昼の公式会見に続き、スタジオジブリの星野康二社長と、ヒロイン菜穂子の声優を務めた女優の瀧本美織が出席した。
午後7時15分からの公式上映前のレッドカーペットに「今日はカーペットに溶け込もう」という思いで決めたという赤いドレスで現れた瀧本を、星野社長がエスコート。「風立ちぬ」の英題である「The Wind Rises」とアナウンスされると、詰めかけた一般客から大きな拍手が起こった。瀧本は「心臓がドキドキしました。しっかりと目に焼き付けようと思ったのですが、緊張してしまって記憶があんまりないです」と初体験となった世界3大映画祭のレッドカーペットを振り返った。
公式上映会場の「Palazzo del Cinema」(パラッツォ・デル・チネマ/約1000席)では、映画の冒頭におなじみのスタジオジブリのロゴマークが出た瞬間にも大きな拍手が巻き起こった。上映中は時折笑いが起きるなど観客は映画を楽しんでいる様子で、クライマックスでは涙ぐむ観客の姿も。また、本編が終わりエンディングに主題歌「ひこうき雲」が流れると、約5分間におよぶスタンディングオベーションも起こった。
公式イベント直前に聞かされたという宮崎監督の引退とベネチアでの上映という思いに感極まり、大粒の涙を流した瀧本は「今まで、家族や友だちと何度も『風立ちぬ』を日本で見てきたのですが、試写のとき以来です、こんなに泣いてしまったのは。(ベネチアであらためて映画を見て)噛み締めることができました。あらためてすごいことだなと思って、感謝の気持ちを伝えたいです」と万感の思い。宮崎監督の引退については、「『風立ちぬ』を作ってくださったこと、携わらせてくださったことに本当に感謝しています。監督は、声優、女優としてどうあるべきかということの前に、人として大切なことを教えてくださいました。賞が取れたときには、あらためて監督をはじめスタッフのみなさんに大きな拍手を送りたいです」と話した。
翌朝の現地マスコミは、前日の宮崎監督の引退発表を受け「風立ちぬ」を大きく取り扱う媒体もあった。イタリアの老舗全国紙「CORRIERE DELLA SERA(コリエーレ・デッラ・セーラ)」は、宮崎監督の顔写真と「風立ちぬ」の場面カットを一面に掲載。同作を「ベネチアに夢を見せてくれる平和主義なおとぎ話。創造性、夢、愛への讃歌を歌った作品だ。映画の中で『才能は10年だ』という言葉があるが、彼の場合は例外であろう」と評した。
その他にも、「エモーショナルで感動的」「過去を見ながら現在と未来に挑む作品。彼の挑戦が勝利を収めたことは、日本の興行収入やベネチアでの拍手をみても明らかである」(La repubblica紙)、「マエストロ宮崎駿の最後の傑作。初めて泣いたという監督の言葉があるが、彼と一緒に私たちも泣いた」(Il Gionrnale紙)と称賛。各紙の星取り表でも高い評価を得た。もし金獅子賞を獲得すれば、アニメーション作品としては史上初となる。
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