舞台「真田十勇士」座長の勘九郎、堤幸彦監督の「大変です」発言に「役者はマゾ」
2013年8月27日 16:00
[映画.com ニュース] 歌舞伎俳優・中村勘九郎が、猿飛佐助役で主演する舞台「真田十勇士」(2014年1月7日~2月2日、東京・青山劇場)の製作発表が8月27日、都内で行われた。
勘九郎をはじめ松坂桃李、比嘉愛未、加藤雅也、真矢みきら主要キャスト15人が勢ぞろい。座長を務める勘九郎は、「皆のパワーや熱気がすごい。素敵な舞台を皆で作り上げ、記憶に残るいい作品にしたい」と意気込みを語った。
これまで何度となく舞台化、映像かされてきた「真田十勇士」を、マキノノゾミ氏が新解釈によって脚色。真田幸村を虚構のヒーローに仕立てあげようとする佐助ら十勇士の活躍を描くもので、演出の堤幸彦監督は「役者さんに、これだけは言っておきます。大変です」といきなりのスパルタ宣言だ。
これには、勘九郎も「いきなりで、気持ちが落ち込んでいます」と正直な心情を吐露。そして、「まあ、役者はマゾしかいないと思っているので」とこぼすと、真矢が「それ、見出しになっちゃうよ」と心配げに忠告。堤監督にいたっては「名言ですね。心に留めておきたい。サドになれってことですから」としてやったりの表情だった。
それでも、「歌舞伎の家に生まれ、子どもの頃から家に刀があってチャンバラをして遊んでいた。佐助はあこがれのヒーローの1人。大坂の陣は大好きな時代でもある」と笑顔。「ただ格好いいだけではない、ドロドロした部分やグレーな部分も出していきたい。楽しみです」と自信をうかがわせた。
霧隠才蔵役で時代劇初挑戦となる松坂は、「初の時代劇が舞台で良かった。長いスパンで役を体に落とし込めるので。足を引っ張らないよう、座長に必死で食らいついていきたい」と抱負。戦隊ヒーローとは真逆の忍を演じることになるが、「裏方的にいろいろなドラマが繰り広げられるところに心を奪われる。ドキドキハラハラさせられる役と思われたら、面白みが増すと思う」と言葉に力を込めた。
初めての舞台に挑む比嘉は、「緊張と期待で胸がいっぱい。初舞台は人生でたった1度。全身全霊で、最後まで役を生きていきたい」と並々ならぬ決意。アクションも初挑戦で、「今から鍛えたい。腹筋を1日100回やります」と大胆発言。堤監督が「そんなに?」と驚いて指摘すると、50回に“下方修正”し、周囲の笑いを誘った。
大坂城にろう城する淀殿役の真矢は、勘九郎の父、故中村勘三郎さんの平成中村座でライトアップした大阪城を見た時の感動を告白。「ご縁があってうれしい。あの大阪城が、私を鼓舞してくれそうです」と話すと、勘九郎は感謝を込めて頭を下げていた。
「真田十勇士」は、大坂の陣の開戦400年の節目に、日本テレビ開局60年特別舞台として製作。その他の出演は福士誠治、中村蒼、高橋光臣、村井良大、鈴木伸之、青木健、駿河太郎、石垣佑磨、加藤和樹、音尾琢真ら。なお、大阪公演は2月7~19日に梅田芸術劇場で行われる。